タバコ病で倒れる芸能人たち |
先月肺がんで死んだ三遊亭円楽は享年77歳だが、三年前に「笑点」の司会を引退する以前からもうヨレヨレという感じで、現役の落語家には見えなかった。それも落語家としてわたしがあまりシンパシーを持てなかったからかもしれない。
それにしても「長生きも芸のうち」と言われる落語の世界で、衰えるのが早かったのはタバコのせいもあるのだろう。
藤田まことは76歳。子どもの頃毎週日曜日の夕方「てなもんや三度笠」で見ていた俳優だが、いまのテレビ視聴者には「必殺仕事人」のほうが印象が強い。
COPDでテレビドラマ出演を取りやめたという話である。やはり三年前に食道がんの手術をしている。そのときの報道では「70歳を過ぎてタバコをやめ、身体に気を配っていたが・・・・」とあったが、手遅れだったようだ。食道がんは喫煙者と非喫煙者では発症率に10倍以上の差があると言われるがんである。
そして今度はCOPDである。「一日も早い復帰に努めて参る所存でございます」と本人のコメントが紹介されているが、これは絶対に回復しない病気なので事実上の引退だろう。鼻に酸素補給のためのカニューラを当てて演技はできないのだろうか。そういう俳優や歌手が出てきてもいいように思う。
もうひとり、元宝塚歌劇団のトップスター大浦みずきは肺がんで亡くなっている。53歳というのはいかにも若い。
宝塚の男役は声をつぶして低くするためにタバコを吸う人が多いという話である。大浦みずきも喫煙していたと伝えられる。そう言えば、元宝塚ということでは越路吹雪も喫煙者だった。越路吹雪は56歳で胃がんで死んでいる。
ただ、気になるのはマスメディアの報道で、こういう人たちを扱った記事のなかでタバコに関する記述が一切ないことだ。ひとりでもタバコの犠牲者を減らすために、きちんと事実を報道しないといけないのではないか。