2010年 05月 08日
御柱祭での死者 |
諏訪の御柱祭での事故死のニュースである。諏訪のあたりでは御柱の時期になると一種異様な興奮状態になるという話だが、こういう事故がいつまでも繰り返されていいわけがない。
時期は冬のもっとも寒い時期だったが、一番たいへんだったのは切った木を森の中から道路まで引き出すことだった。あとは3kmぐらい道の上を曳いていき、村の決まった場所に柱を立てるのである。
うちの村では木落しなどというようなことはせず、もっとも危険な柱を立てる作業も重機を使って安全第一でやることになっている。たしかに村のお宮の祭のために怪我をしたり命を落とすというのは、無病息災を司る神社としては本末転倒である。
諏訪のあたりでは、御柱街道沿いの家には娘を嫁にやるな、と言われているらしい。やはり庶民の考えはごく常識的なところに落ち着くものと見える。
8日午後5時5分頃、長野県下諏訪町で開かれていた「諏訪大社御柱(おんばしら)祭」で、垂直に立てるためにワイヤで引き上げていた木製の御柱(長さ約16メートル)に乗っていた男性3人が地上に落下し、岡谷市、増沢徳寿さん(45)と同市加茂町、平田和也さん(33)が死亡した。実はわたしの住む村にも諏訪神社があり、御柱を立てるのである。たまたまそのときにわたしは地区の役員をつとめていて、御柱を山から切り出して立てるところまでやった経験がある。
落下したもう1人と、地上で祭りに参加していた男性1人もけがをした。諏訪署が関係者から事情を聞いている。
発表によると、柱がほぼ垂直になった際、柱に結んだ縄に足を掛けるなどして先端付近に乗ってかけ声をかけていた3人が落下。3人は命綱をつけていなかったとみられる。
3人が落下したのと前後して柱を支えていたワイヤが切れており、地上でけがをした男性はワイヤが体に当たったとみられる。目撃者によると、3人が落下する直前に柱が揺れたといい、諏訪署はワイヤ切断と落下の因果関係などを調べている。祭り関係者によると、ワイヤは直径12ミリ。滑車を使って柱を引き上げたり、地上から柱を支えたりする役割があった。
8日は、諏訪大社下社の「春宮」に柱を立てる「建御柱(たておんばしら)」で、現場は大勢の観光客らで騒然となった。祭りは一時中断したが、間もなく再開され、柱は垂直に立てられた。
6年に1度の諏訪大社の御柱祭では1992年、柱を急斜面で滑り落とす「木落(きおと)し」で、男性が頭の骨を折って死亡するなどしている。長野県内では今年4月11日、千曲市の神社の御柱祭で氏子4人が、倒れてきた柱の下敷きになり、男性が死亡、3人が重軽傷を負った。(読売新聞5月8日21時16分)
時期は冬のもっとも寒い時期だったが、一番たいへんだったのは切った木を森の中から道路まで引き出すことだった。あとは3kmぐらい道の上を曳いていき、村の決まった場所に柱を立てるのである。
うちの村では木落しなどというようなことはせず、もっとも危険な柱を立てる作業も重機を使って安全第一でやることになっている。たしかに村のお宮の祭のために怪我をしたり命を落とすというのは、無病息災を司る神社としては本末転倒である。
諏訪のあたりでは、御柱街道沿いの家には娘を嫁にやるな、と言われているらしい。やはり庶民の考えはごく常識的なところに落ち着くものと見える。
by himitosh
| 2010-05-08 22:04
| 文化一般