2005年 09月 15日
「ボーイズ・ドント・クライ」 ― This Is America |
昨日の映画は「ボーイズ・ドント・クライ」(キンバリー・ピアース監督)。1999年の作品だが、実話がもとになっている。性的同一障害を持つ女性が主人公なのだが、わたしには正視に耐えないような場面が多くてつらい映画だった。それは特別暴力的だとか(もちろんそういうシーンもあるが)、グロテスクだとかいうことではなくて、主人公があまりに痛々しく、またその置かれている環境があまりに悲惨だということから来ている。
主人公は女性と書いたが、正確には身体は女性だが精神は男性という人物である。
で、ホワイト・トラッシュと呼ばれるようなアメリカの田舎の貧しくて無知な白人たちのなかでストーリーは展開する。アメリカの基盤みたいなものはまさにこういう部分にあって、彼らのような人々がブッシュ政権を支えている感じがよくわかる。保守的で、無知で、汚らしくて、おぞましくて、暴力的で近寄りたくない。
主人公は二重三重にハンディキャップを背負った形で人生を過ごしているのだが、それだけ彼(彼女)は女性たちに対して優しく振舞える。そうすると、女性たちも彼を明らかにその他大勢の無知な若者たちと区別して愛するようになる。
途中からはっきりラストまでストーリーが読めてしまって、それだけ見続けるのがつらくなってしまった。
主役のヒラリー・スワンク(「ミリオン・ダラー・ベイビー」)は素晴らしい。なるほどこれならオスカーをとっても不思議ではない。どう見ても男にしか見えないときがあるのだが、たしかにこれなら多くの女性が惚れ込むだろうと思う。
そんなにいい映画だとは思わないのだが、アメリカという国の本質をかっちり描ききっている点で見逃せない映画なのではないか。
主人公は女性と書いたが、正確には身体は女性だが精神は男性という人物である。
で、ホワイト・トラッシュと呼ばれるようなアメリカの田舎の貧しくて無知な白人たちのなかでストーリーは展開する。アメリカの基盤みたいなものはまさにこういう部分にあって、彼らのような人々がブッシュ政権を支えている感じがよくわかる。保守的で、無知で、汚らしくて、おぞましくて、暴力的で近寄りたくない。
主人公は二重三重にハンディキャップを背負った形で人生を過ごしているのだが、それだけ彼(彼女)は女性たちに対して優しく振舞える。そうすると、女性たちも彼を明らかにその他大勢の無知な若者たちと区別して愛するようになる。
途中からはっきりラストまでストーリーが読めてしまって、それだけ見続けるのがつらくなってしまった。
主役のヒラリー・スワンク(「ミリオン・ダラー・ベイビー」)は素晴らしい。なるほどこれならオスカーをとっても不思議ではない。どう見ても男にしか見えないときがあるのだが、たしかにこれなら多くの女性が惚れ込むだろうと思う。
そんなにいい映画だとは思わないのだが、アメリカという国の本質をかっちり描ききっている点で見逃せない映画なのではないか。
by himitosh
| 2005-09-15 20:44
| 映画