2013年 05月 11日
都市景観はどうでもいいのか |
京都ってこんなに汚い町だったのか。
ビルばかりで瓦屋根の家などほとんど見えない。そのビルも、色と形がまるっきり不揃いなので、なんというか雑多な印象しか残らない。向こうに見える東山がなければ、ここが京都だとは誰にもわかるまい。
いまでも憶えているが、大学に入学した年の春休みに京都に来たことがある。ちょうど京都タワーが作られたときで、すごく評判が悪かった。話の種にタワーに登ってみることにした。
タワーの上から見た景色に息を呑んだ。
黒い瓦屋根がずっと続いていて、それは美しかった。なるほど第二次大戦で爆撃を受けなかった日本の都市は、昔の景観をそのまま保持しているのだとそのときよくわかった。
それがいまではこれである。
資本主義社会で、建築についても自由裁量が許されているのだからしかたがない。それぞれの土地の所有者は自分の資本を最大限に生かすために最良の選択をするのである。その結果、美しい町は姿を消し、どこも同じような都市景観ができあがる。
近代化とか経済発展にはこういうマイナスの側面がつきまとわざるを得ない。
つい最近イタリアにいってきたせいかもしれないが、こうした汚い街並みには抵抗を感じてしまう。京都とくらべれば松本のほうがまだましかもしれない。
by himitosh
| 2013-05-11 08:08
| 社会