2005年 04月 16日
再び中国の反日デモについて |
中国で荒れ狂っている反日デモの背景はどうやら中国政府にあるようだ。潜在的に存在している中国民衆の反日意識をこの時点で顕在化させることを通じて、「民衆の自然発生的な要求」という形で日本の国連常任理事国入りに反対する立場を示す点に中国政府の意図があるものと見られる。
そもそも中国は「自然発生的なデモ」などありえない国ではないだろうか。たとえば今回のデモはインターネットを通じて呼びかけがあり、それに応える形で広がったと報道されている。つまり、官製のメディアではなく、草の根のメディアを通じて情報が広がったからこそ自然発生的だというわけである。しかし、それは事実とは異なるようだ。
「中国は世界で最もインターネットを検閲し、Webサイト、Blog、電子メール、オンラインフォーラムのデリケートな政治コンテンツをフィルタリングしている国家だ」という。それはたんに外国からの情報の流入を管理しているだけでなく、国内での情報の流通を厳しく規制していることを意味している。国民の動きを逐一監視して、抑えるべきところは抑える仕組みを中国政府は保有しているのだ。1989年の天安門での事態を思い起こせば、中国政府は自らの存立基盤を危うくする運動は力づくでも押しつぶす気力と武力を持っている。
インターネットを利用できる者は中国国民の中でもそう多くないだろうが、彼らはそうした情報入手の点ではエリートに属するはずで、国際情勢にも関心が高い。報道される写真からはデモへの参加者はほとんどが若者であることがわかる。そうした若年層の動きを政府は黙認するというよりも、コントロールしているというのが実情に近いものと思われる。
第二次世界大戦後に旧枢軸国が「謝罪」の意思を表明する際に、ドイツが「模範的にそれを行った」例として取り上げられ、日本は「意図的に謝罪をネグレクトしてきた」というような言い方を近隣の諸国からされることが多い。(イタリアは、戦争中に枢軸陣営から離脱してそれと対立する立場にまわっただけに微妙なのだが、どちらかというと日本に近い。)こんな風に批判される理由はどこにあるのだろうか。
基本的にはヨーロッパ諸国間の関係と日中韓の関係が歴史的に見てかなり質が違う(国際的交流の深さが違う)ということと、戦後の経済発展での差異の大きさが一種の「妬み」の感情とつながっていることの二点が原因ではなかろうか。そうでなければ、繰り返し「謝罪」の要求が出てくるわけがない。
日本人としては憂鬱なことだが、このねじれてしまった此彼の国民感情を時間をかけてときほぐすしかないように思う。それにしても、中国政府の対応はどうも感心できない。
そもそも中国は「自然発生的なデモ」などありえない国ではないだろうか。たとえば今回のデモはインターネットを通じて呼びかけがあり、それに応える形で広がったと報道されている。つまり、官製のメディアではなく、草の根のメディアを通じて情報が広がったからこそ自然発生的だというわけである。しかし、それは事実とは異なるようだ。
「中国は世界で最もインターネットを検閲し、Webサイト、Blog、電子メール、オンラインフォーラムのデリケートな政治コンテンツをフィルタリングしている国家だ」という。それはたんに外国からの情報の流入を管理しているだけでなく、国内での情報の流通を厳しく規制していることを意味している。国民の動きを逐一監視して、抑えるべきところは抑える仕組みを中国政府は保有しているのだ。1989年の天安門での事態を思い起こせば、中国政府は自らの存立基盤を危うくする運動は力づくでも押しつぶす気力と武力を持っている。
インターネットを利用できる者は中国国民の中でもそう多くないだろうが、彼らはそうした情報入手の点ではエリートに属するはずで、国際情勢にも関心が高い。報道される写真からはデモへの参加者はほとんどが若者であることがわかる。そうした若年層の動きを政府は黙認するというよりも、コントロールしているというのが実情に近いものと思われる。
第二次世界大戦後に旧枢軸国が「謝罪」の意思を表明する際に、ドイツが「模範的にそれを行った」例として取り上げられ、日本は「意図的に謝罪をネグレクトしてきた」というような言い方を近隣の諸国からされることが多い。(イタリアは、戦争中に枢軸陣営から離脱してそれと対立する立場にまわっただけに微妙なのだが、どちらかというと日本に近い。)こんな風に批判される理由はどこにあるのだろうか。
基本的にはヨーロッパ諸国間の関係と日中韓の関係が歴史的に見てかなり質が違う(国際的交流の深さが違う)ということと、戦後の経済発展での差異の大きさが一種の「妬み」の感情とつながっていることの二点が原因ではなかろうか。そうでなければ、繰り返し「謝罪」の要求が出てくるわけがない。
日本人としては憂鬱なことだが、このねじれてしまった此彼の国民感情を時間をかけてときほぐすしかないように思う。それにしても、中国政府の対応はどうも感心できない。
by himitosh
| 2005-04-16 20:36
| 社会