2005年 12月 18日
『無意識の証人』 |
ジャンリーコ・カロフィーリオ『無意識の証人』(文春文庫)読了。イタリアの翻訳ミステリというのは珍しいが、なかなかおもしろい小説だった。おもしろかった理由をいくつか挙げてみると、まず舞台がバーリという南イタリアの都市であること。そして二つ目が外国人出稼ぎ労働者が被告とされる法廷小説である点。三つ目が「僕」という語り手である主人公のキャラクタがかなりくっきりと描かれている点である。
ミステリとしては薄味だが、かなり「文学」している小説の部分がなかなか読ませる。ある程度イタリアを知っている人なら、南部の都市の風景や、そのなかに生きているイタリア人、外国人(immigrati)の姿が浮かんでくる。
実はこの本は訳者から献本されたものなのだが、(そういう身びいきを差し引いても)翻訳もとてもいい。
これは同じ弁護士を主人公とするシリーズものとして、イタリアではすでに三作目まで出版されているという。できたら続きも読んでみたい。
今のイタリアに関心のある人にはオススメである。
ミステリとしては薄味だが、かなり「文学」している小説の部分がなかなか読ませる。ある程度イタリアを知っている人なら、南部の都市の風景や、そのなかに生きているイタリア人、外国人(immigrati)の姿が浮かんでくる。
実はこの本は訳者から献本されたものなのだが、(そういう身びいきを差し引いても)翻訳もとてもいい。
これは同じ弁護士を主人公とするシリーズものとして、イタリアではすでに三作目まで出版されているという。できたら続きも読んでみたい。
今のイタリアに関心のある人にはオススメである。
by himitosh
| 2005-12-18 09:57
| 本