2006年 02月 21日
子どもと喫煙 |
またまたタバコの話である。ぼんやりいつも行くウェブサイトを見ていたら、TBを通じてこんな情報を見つけた。一昨年の日本外来小児学会で行われた米国小児医科学会Weizman博士の講演「タバコと子ども:小児科医は多くの子どもの命を救うチャンスがある」の内容を紹介してある。
これ自体が講演の要約なのだが、それをさらに整理してみよう。
・タバコの問題は米国小児科学会の最優先課題であり、米国の喫煙者の90%は19歳までに吸い始めている。よってタバコは小児疾患である。
・小児科医が毎日30~40人診察すれば、そのうち2人は成人してタバコによる病気で若くして死ぬことになる。(皆さんのお子さんの将来です)
・親が喫煙者の場合、子どもの喫煙率は2倍になる。
・成人の肺がん患者全体の17%が小児期における受動喫煙が原因である。
・母親が喫煙者だと乳児の入院率は40%高くなり、両親が喫煙者だと生後1年以内に肺炎や気管支炎にかかる可能性が2倍以上になる。
・両親のどちらかが喫煙者だと、5歳未満で中耳炎を繰り返す率が1.5倍になり、母親が喫煙すると乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが2倍以上になる。
・母胎内および出生後の受動喫煙は小児気管支喘息全体の約10%の原因であり、米国の子どもの虫歯全体の3分の1以上は受動喫煙が原因である。
・母親の妊娠中の喫煙により、問題行動、注意欠陥多動障害(ADHD)、知能(IQ)低下の発生率が上昇することが多くの研究で報告されている。
・米国では日本以上に肥満が増加している。タバコと肥満の脅威は類似していて、どちらも親の態度と行動の修正が必要で、市場とメディアが子どもを標的としている。この脅威に対する小児科医の社会的役割は大きい。
・喫煙する親の90%が禁煙を希望している。
これを見れば、親が喫煙することによって子どもにもたらされるリスクの大きさがわかるのではないか。子どもを持って(あるいは配偶者が妊娠して)禁煙を考える人が多いようだが、それは親として当然払わねばならない配慮であろう。
タバコを吸う本人が健康を害するのは自業自得だが、周囲にいる家族や友人・同僚に悪影響を及ぼすことをほとんどの喫煙者は理解していないのではないか。それをすべてニコチン依存症という病気のせいにしてしまうのは間違っているかもしれない。やはり喫煙者本人の人格が問題とされるべきケースも多々あるように思う。
「喫煙する親の90%が禁煙を希望している」というあたりは、米国と日本では相当に違うのではないか。日本ではもっと少ないだろう。「子どもがいる環境での喫煙は絶対に避けなくてはならない」ということがどれだけ広く認識されているかの差と思われる。このあたりをもっともっと強力に主張していかなくてはなるまい。
これ自体が講演の要約なのだが、それをさらに整理してみよう。
・タバコの問題は米国小児科学会の最優先課題であり、米国の喫煙者の90%は19歳までに吸い始めている。よってタバコは小児疾患である。
・小児科医が毎日30~40人診察すれば、そのうち2人は成人してタバコによる病気で若くして死ぬことになる。(皆さんのお子さんの将来です)
・親が喫煙者の場合、子どもの喫煙率は2倍になる。
・成人の肺がん患者全体の17%が小児期における受動喫煙が原因である。
・母親が喫煙者だと乳児の入院率は40%高くなり、両親が喫煙者だと生後1年以内に肺炎や気管支炎にかかる可能性が2倍以上になる。
・両親のどちらかが喫煙者だと、5歳未満で中耳炎を繰り返す率が1.5倍になり、母親が喫煙すると乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが2倍以上になる。
・母胎内および出生後の受動喫煙は小児気管支喘息全体の約10%の原因であり、米国の子どもの虫歯全体の3分の1以上は受動喫煙が原因である。
・母親の妊娠中の喫煙により、問題行動、注意欠陥多動障害(ADHD)、知能(IQ)低下の発生率が上昇することが多くの研究で報告されている。
・米国では日本以上に肥満が増加している。タバコと肥満の脅威は類似していて、どちらも親の態度と行動の修正が必要で、市場とメディアが子どもを標的としている。この脅威に対する小児科医の社会的役割は大きい。
・喫煙する親の90%が禁煙を希望している。
これを見れば、親が喫煙することによって子どもにもたらされるリスクの大きさがわかるのではないか。子どもを持って(あるいは配偶者が妊娠して)禁煙を考える人が多いようだが、それは親として当然払わねばならない配慮であろう。
タバコを吸う本人が健康を害するのは自業自得だが、周囲にいる家族や友人・同僚に悪影響を及ぼすことをほとんどの喫煙者は理解していないのではないか。それをすべてニコチン依存症という病気のせいにしてしまうのは間違っているかもしれない。やはり喫煙者本人の人格が問題とされるべきケースも多々あるように思う。
「喫煙する親の90%が禁煙を希望している」というあたりは、米国と日本では相当に違うのではないか。日本ではもっと少ないだろう。「子どもがいる環境での喫煙は絶対に避けなくてはならない」ということがどれだけ広く認識されているかの差と思われる。このあたりをもっともっと強力に主張していかなくてはなるまい。
by himitosh
| 2006-02-21 10:00
| タバコ