2006年 02月 26日
フィリップ・モリス社の見解 |
いまだに喫煙している人たちは次のような事実を知っておく必要がある。世界最大のタバコメーカーであるフィリップ・モリス社(マールボロ、ラーク、バージニアスリムなどを製造販売している)は、自社のHPのなかの「喫煙と健康」というコーナーで以下のように明言している。
それはアメリカでのタバコ会社に対する訴訟で敗訴し、つい最近も94億ドルもの巨額の賠償金が課せられたということが原因であろう。そこでは「喫煙者に対してタバコの害を十分に伝える努力がなされていない」ことが敗訴の理由のひとつになっていた。
日本でもつい最近も同種の訴訟に判決が下され、そこでは訴えた喫煙者が敗北している。しかし、この情勢がいつまでも続くとは限らないとフィリップ・モリス社は判断しているのではないか。だからこそ、前もって自社のHPにあのような見解を記載して先手を打っていると見るのが正しいように思われる。
いまだにタバコを吸っている人たちは、タバコ会社自身もこのようにタバコの害を素直に認め、禁煙したほうがいいとアドバイスしていることを忘れてはならない。(しかし、そういう害を撒き散らす製品を作っていることを認める企業に存在する意義があるのだろうか。)自分の命を縮め、周囲の人々の健康も台無しにしてしまうものがタバコなのである。
喫煙には依存性があります。 禁煙はとても難しいことかもしれませんが、このために禁煙をあきらめるべきではないでしょう。そして、次のような警告をそれに続けて掲載している。
喫煙は喫煙者に肺がん、心臓病、肺気腫、その他重大な疾病を引き起こします。 喫煙者が肺がんなどの疾病にかかる割合は、非喫煙者に比べるとはるかに高くなります。 「安全な」紙巻たばこというものはありません。
喫煙する人はその危険性を十分に理解しておく必要があります。このセクションでは喫煙が健康に及ぼす影響や、禁煙に役立つ情報などをお伝えしています。また、より詳細な情報を提供している公衆衛生当局やその他関連機関のウェブサイトへのリンク、当社のたばこ製品の成分、たばこの煙に含まれている化学物質についての情報などもご覧いただけます。禁煙に関しては、それがかなりの困難を必要とする課題であること、禁煙の成功率や具体的にどのような手立てで禁煙を達成するか、といったアドバイスを行っている。そしてタバコの煙がもたらす害に関しては、以下のような記述がある。
私たちは、たばこ製品を販売しているすべての地域で、喫煙、疾病そして依存性についての公衆衛生当局の明確で一貫した見解に同意しています。健康に対する警告をたばこのパッケージや広告に表示することをたばこ会社に義務づける法律も支持しており、このような法律のない国々では、パッケージ、カートン、広告に自主的に警告文を表示しています。私たちは、喫煙に関するさまざまな事実を、より一層広く皆様に知っていただきたいと考えています。
環境中たばこ煙は、成人の非喫煙者に肺がんや心臓病などの疾病を、また子供たちに喘息、呼吸器感染、咳、端鳴、中耳炎、乳幼児突然死症候群などを引き起こすと、公衆衛生当局は結論づけています。さらに、環境中たばこ煙は成人の喘息を悪化させるおそれがあり、目、喉、鼻の炎症の原因にもなりうると結論づけています。環境中たばこ煙とは、火のついたたばこの先端から出る煙と、喫煙者が吐き出す煙を合わせたもののことをいいます。さらに、具体的な規制に関しては次のような思い切った主張までしている。
たばこの煙がある場所にいるかどうか、また喫煙者であれば、いつどこで喫煙するかについては、環境中たばこ煙が健康に及ぼす影響に関する公衆衛生当局の見解を基に判断されるべきです。 また、子供の周りでは喫煙は控えるなど、特に子供に対しては十分な配慮が必要です。
このような公衆衛生当局の結論に基づいて公共の場所での喫煙を規制するのは適切な措置であると私たちは考えています。 また、喫煙が許されている場所では、上記のような公衆衛生当局の見解を伝える警告が表示されるよう政府によって義務づけられるべきであると考えています。
私たちは、屋内の公共の場所における喫煙は政府によって規制されるべきであると考えていますし、公共の交通機関や子どもたちのいる学校のような場所では全面的に喫煙を禁止することを支持しています。また、子どもたちの周りで喫煙をしないよう、大人たちに強く呼びかけています。こうしたPM社の見解と、「健康のために吸いすぎに注意しましょう」という箸にも棒にひっかからない警告でお茶を濁しつつタバコの害をそ知らぬ顔で無視してニコチンの依存性を軽視するとともに禁煙指導への健康保険適用に反対するJTの見解の差は非常に大きい。だが、同じタバコ会社なのに、この差はいったいどこから来るのだろうか?
それはアメリカでのタバコ会社に対する訴訟で敗訴し、つい最近も94億ドルもの巨額の賠償金が課せられたということが原因であろう。そこでは「喫煙者に対してタバコの害を十分に伝える努力がなされていない」ことが敗訴の理由のひとつになっていた。
日本でもつい最近も同種の訴訟に判決が下され、そこでは訴えた喫煙者が敗北している。しかし、この情勢がいつまでも続くとは限らないとフィリップ・モリス社は判断しているのではないか。だからこそ、前もって自社のHPにあのような見解を記載して先手を打っていると見るのが正しいように思われる。
いまだにタバコを吸っている人たちは、タバコ会社自身もこのようにタバコの害を素直に認め、禁煙したほうがいいとアドバイスしていることを忘れてはならない。(しかし、そういう害を撒き散らす製品を作っていることを認める企業に存在する意義があるのだろうか。)自分の命を縮め、周囲の人々の健康も台無しにしてしまうものがタバコなのである。
by himitosh
| 2006-02-26 10:50
| タバコ