2006年 03月 22日
喫煙と保険 |
昨日のエントリーの続きである。以下の記述はタバコを吸う人と吸わない人のための生命保険情報からの受け売りである。
喫煙者と非喫煙者の保険料に差をつけている保険会社は日本にも存在する。「ノンスモーカー保険」とか「非喫煙優良体保険」、「あなた次第」、「喫煙リスク区分型」などなど名称はさまざまだが、非喫煙者に対して、より安い保険料を適用している。
出典:Doll et al. Mortality in relation to smoking: 40 years' observations on male British doctors. British Medical Journal 1994;309:901-911 (これは1951年にイギリスの3万5千人以上の男性医師に対する調査が行われ、そこに喫煙の有無を問う項目が含まれていた。それ以後定期的に調査が継続されて得られたデータである。サンプル数も十分であり、データとしては信頼がおけるものである。)
上のグラフを見れば喫煙者と非喫煙者の間に生存率の大きな差があることは一目瞭然である。リスク評価をきちんと行えば、喫煙の有無によって保険料率が異なるのは当然のことである。
非喫煙者割引を導入していない生命保険に加入している非喫煙者は、現状では3~4割の保険料を余分に取られており、結局その差益が保険会社の経営失敗の穴埋めのために流用されている可能性が高いといえる。「喫煙するかしないか」という、保険料にすればこのように大きな金額の差となる重大なリスクすら評価できない生命保険会社には、他のリスクがはたしてまともに評価できているのだろうかという疑問を持たざるを得ない。
アメリカでは約40年前からすでに非喫煙者の保険料割引が導入されている。非喫煙者割引をしない日本の生保は加入者の無知を逆手にとったこのような欺瞞をいつまで続けるのか。
実際のところ、日本の保険会社で非喫煙者割引制度を設けているのは、富士生命・大同生命などの中小規模の生命保険会社で、あとは外資系である。日本生命や第一生命・明治生命・安田生命といった大手や旧財閥系の生命保険会社はどこもそうした制度がない。
結論としてタバコを吸う人はそうした大手の生命保険に加入したほうが有利になるし、タバコを吸わない人は非喫煙者に対する割引制度のある保険に加入するべきであろう。流れとしてはおそらく、日生をはじめとする大手の保険会社も喫煙・非喫煙の区別を設けることになるのではないか。もし、非喫煙者割引制度を導入しないと、健康に問題のある喫煙者ばかりを抱え込み、相対的に健康な非喫煙者には逃げられる結果になるからだ。
喫煙者は喫煙者同士で連帯し合って、高い保険料を支払いながら生命保険制度を維持するのが正しいのではないだろうか。このままでは大手の生命保険はそういう場になっていくだろう。
<追記>
上記のグラフに新しいデータが加わったものが下のものである。
40代半ば以降は喫煙者のほうが10年早く死ぬということがおおよそわかる。死ぬまでのQOLも相当悪いものだろう。
喫煙者と非喫煙者の保険料に差をつけている保険会社は日本にも存在する。「ノンスモーカー保険」とか「非喫煙優良体保険」、「あなた次第」、「喫煙リスク区分型」などなど名称はさまざまだが、非喫煙者に対して、より安い保険料を適用している。
出典:Doll et al. Mortality in relation to smoking: 40 years' observations on male British doctors. British Medical Journal 1994;309:901-911 (これは1951年にイギリスの3万5千人以上の男性医師に対する調査が行われ、そこに喫煙の有無を問う項目が含まれていた。それ以後定期的に調査が継続されて得られたデータである。サンプル数も十分であり、データとしては信頼がおけるものである。)
上のグラフを見れば喫煙者と非喫煙者の間に生存率の大きな差があることは一目瞭然である。リスク評価をきちんと行えば、喫煙の有無によって保険料率が異なるのは当然のことである。
非喫煙者割引を導入していない生命保険に加入している非喫煙者は、現状では3~4割の保険料を余分に取られており、結局その差益が保険会社の経営失敗の穴埋めのために流用されている可能性が高いといえる。「喫煙するかしないか」という、保険料にすればこのように大きな金額の差となる重大なリスクすら評価できない生命保険会社には、他のリスクがはたしてまともに評価できているのだろうかという疑問を持たざるを得ない。
アメリカでは約40年前からすでに非喫煙者の保険料割引が導入されている。非喫煙者割引をしない日本の生保は加入者の無知を逆手にとったこのような欺瞞をいつまで続けるのか。
実際のところ、日本の保険会社で非喫煙者割引制度を設けているのは、富士生命・大同生命などの中小規模の生命保険会社で、あとは外資系である。日本生命や第一生命・明治生命・安田生命といった大手や旧財閥系の生命保険会社はどこもそうした制度がない。
結論としてタバコを吸う人はそうした大手の生命保険に加入したほうが有利になるし、タバコを吸わない人は非喫煙者に対する割引制度のある保険に加入するべきであろう。流れとしてはおそらく、日生をはじめとする大手の保険会社も喫煙・非喫煙の区別を設けることになるのではないか。もし、非喫煙者割引制度を導入しないと、健康に問題のある喫煙者ばかりを抱え込み、相対的に健康な非喫煙者には逃げられる結果になるからだ。
喫煙者は喫煙者同士で連帯し合って、高い保険料を支払いながら生命保険制度を維持するのが正しいのではないだろうか。このままでは大手の生命保険はそういう場になっていくだろう。
<追記>
上記のグラフに新しいデータが加わったものが下のものである。
40代半ば以降は喫煙者のほうが10年早く死ぬということがおおよそわかる。死ぬまでのQOLも相当悪いものだろう。
by himitosh
| 2006-03-22 09:56
| タバコ