2006年 07月 06日
思い出の映画 1 ― 「ナバロンの要塞」 |
もう亡くなって15年以上になるが、わたしの父親は映画好きだった。そして、父親に連れられて見た映画がたくさんある。
特定のジャンルにこだわる人ではないし、監督や俳優で映画を選ぶ人でもなかった。邦画も洋画も、アクションも文芸も、SFもホラーも(昔は怪談映画というジャンルがあった)、史劇も現代物も、その場の勢いで選ぶのが父親のやり方だった。それなりの選択の基準はあったのだろうが、いまのわたしにもその基準はわからない。
この映画は子どもに見せるべきとか、見せてはいけないということも考えない人だった。要するに自分が見たい映画に子どもも連れて行くだけなのであった。
この「ナバロンの要塞」(J・リー・トンプソン監督)も父親と一緒に見た映画の一本である。映画館は(いまはなくなってしまった)日比谷映画劇場でのロードショーだったと記憶している。1961年公開だから、わたしは中学1年生のときである。
この映画がなぜ印象に残っているのかというと、映画自体がおもしろかったこともあるのだが、わたしの父親のいい加減な性格がよくわかるからなのである。
わたしの父親は無神経で、映画館に着いたのが上映時間の途中でも平気で入ってしまう人だった。そういう場合映画は途中から見てエンディングになり、また最初から途中のところまで見るのである。それが当たり前だった。
さて、「ナバロンの要塞」だが、これはロードス島から撤退する連合軍の艦船を守るために、海域を制圧している巨砲を破壊するという任務を帯びた少人数の秘密部隊の物語である。アリステ・マクリーンの原作もその後に読んだが、お話自体が(いまとなっては)古典的な構成で非常におもしろい。「ミッション・インポッシブル」は明らかにこういうジャンルの系譜を嗣いでいるといえるし、特殊技能を持つメンバーを集めたチームで困難な課題に挑戦するというジャンルを作り出した映画である。
(原作もそうなのだが)映画は時間を追って緊張を高めていくように仕掛けられている。シークエンスの始まりに必ず何月何日何時、と入るのである。
なのにこの映画をわたしたちは途中から見たのである。こういう映画を途中から見て、いったいどうやっておもしろがればいいのだろうか。見終わってから相当頭に来た覚えがある。
そして、この映画を見てから「オヤジとはもう一緒に映画を見ない」と心に決めたのである。その意味では親離れをもたらした映画がこれなのである。
特定のジャンルにこだわる人ではないし、監督や俳優で映画を選ぶ人でもなかった。邦画も洋画も、アクションも文芸も、SFもホラーも(昔は怪談映画というジャンルがあった)、史劇も現代物も、その場の勢いで選ぶのが父親のやり方だった。それなりの選択の基準はあったのだろうが、いまのわたしにもその基準はわからない。
この映画は子どもに見せるべきとか、見せてはいけないということも考えない人だった。要するに自分が見たい映画に子どもも連れて行くだけなのであった。
この「ナバロンの要塞」(J・リー・トンプソン監督)も父親と一緒に見た映画の一本である。映画館は(いまはなくなってしまった)日比谷映画劇場でのロードショーだったと記憶している。1961年公開だから、わたしは中学1年生のときである。
この映画がなぜ印象に残っているのかというと、映画自体がおもしろかったこともあるのだが、わたしの父親のいい加減な性格がよくわかるからなのである。
わたしの父親は無神経で、映画館に着いたのが上映時間の途中でも平気で入ってしまう人だった。そういう場合映画は途中から見てエンディングになり、また最初から途中のところまで見るのである。それが当たり前だった。
さて、「ナバロンの要塞」だが、これはロードス島から撤退する連合軍の艦船を守るために、海域を制圧している巨砲を破壊するという任務を帯びた少人数の秘密部隊の物語である。アリステ・マクリーンの原作もその後に読んだが、お話自体が(いまとなっては)古典的な構成で非常におもしろい。「ミッション・インポッシブル」は明らかにこういうジャンルの系譜を嗣いでいるといえるし、特殊技能を持つメンバーを集めたチームで困難な課題に挑戦するというジャンルを作り出した映画である。
(原作もそうなのだが)映画は時間を追って緊張を高めていくように仕掛けられている。シークエンスの始まりに必ず何月何日何時、と入るのである。
なのにこの映画をわたしたちは途中から見たのである。こういう映画を途中から見て、いったいどうやっておもしろがればいいのだろうか。見終わってから相当頭に来た覚えがある。
そして、この映画を見てから「オヤジとはもう一緒に映画を見ない」と心に決めたのである。その意味では親離れをもたらした映画がこれなのである。
by himitosh
| 2006-07-06 11:41
| 映画