2006年 08月 07日
ヤコプス・デ・ウォラギネ『黄金伝説』 |
いまから30年前に初めてイタリアの土を踏んで2年半の留学生活をすごした。そのときに感じたことのひとつが、キリスト教について自分があまりにも無知なことだった。イタリアの教会や美術館に展示されている宗教画の内容が理解できない。マドンナやキリスト、洗礼者のヨハネぐらいはわかっても、それ以外の聖人たちについてはさっぱりわからない。
手っ取り早くそれがわかるような小事典(で日本語で読めるもの)がないか調べたが、岩波の小事典シリーズにある「宗教」はまったくそういうものではなく、ほかにはまるで心当たりがなかった。やむなくイタリア語の宗教事典を読むことにしたが、どうにも隔靴掻痒の感じがつきまとった。
留学から帰国後、このヤコプス・デ・ウォラギネの『黄金伝説』の翻訳が京都の人文書院から刊行され、それを読んで「ああ、こういう本があればよかったんだ」とわかった。
デ・ウォラギネは13世紀のジェノヴァで大司教をつとめた聖職者である。この本は中世ヨーロッパに語り伝えられた数多くの聖人たちの事績を語っている。その後この本自体が聖人伝説の起源となった。そういう古典的な書物なのである。ヨーロッパのキリスト教文化の重要な一部を構成する聖人崇拝を理解するには不可欠の本なのである。
ただし、これは事典ではなく宗教書なので、そう読みやすくはない。だが、非常に感銘深い聖人たちの生きざまを伝えている。キリスト教文化に関心のある人は一度は目を通しておくべき本だと思う。
平凡社ライブラリーから今年になって『黄金伝説』の再刊が始まった。いまのところ2巻まで出ているが、全4巻になるという話だ。久しぶりに読み返しているが、なかなかおもしろい。こういうものはレファレンス・ブックとしても手元に置いておかなければならないだろう。
手っ取り早くそれがわかるような小事典(で日本語で読めるもの)がないか調べたが、岩波の小事典シリーズにある「宗教」はまったくそういうものではなく、ほかにはまるで心当たりがなかった。やむなくイタリア語の宗教事典を読むことにしたが、どうにも隔靴掻痒の感じがつきまとった。
留学から帰国後、このヤコプス・デ・ウォラギネの『黄金伝説』の翻訳が京都の人文書院から刊行され、それを読んで「ああ、こういう本があればよかったんだ」とわかった。
デ・ウォラギネは13世紀のジェノヴァで大司教をつとめた聖職者である。この本は中世ヨーロッパに語り伝えられた数多くの聖人たちの事績を語っている。その後この本自体が聖人伝説の起源となった。そういう古典的な書物なのである。ヨーロッパのキリスト教文化の重要な一部を構成する聖人崇拝を理解するには不可欠の本なのである。
ただし、これは事典ではなく宗教書なので、そう読みやすくはない。だが、非常に感銘深い聖人たちの生きざまを伝えている。キリスト教文化に関心のある人は一度は目を通しておくべき本だと思う。
平凡社ライブラリーから今年になって『黄金伝説』の再刊が始まった。いまのところ2巻まで出ているが、全4巻になるという話だ。久しぶりに読み返しているが、なかなかおもしろい。こういうものはレファレンス・ブックとしても手元に置いておかなければならないだろう。
by himitosh
| 2006-08-07 18:05
| 本