2007年 09月 03日
美しい街 |
あわただしい滞在だったが、昨日の朝早くに松江の街を少しだけ歩き回る時間が持てた。そして、美しい街だと思った。
一番いいのはやはりこの城の周辺である。松本も城下町であり、人口も松江とほぼ同じだが、古い街の面影が比べものにならない。松江のほうが上である。城とその周辺の保存のあり方が素晴らしい。
松本では保存されているのは城だけだが、松江では城の周辺全体の雰囲気を残そうとしている。樹齢の古い大木がいくつもあるし、この写真のように木々がうっそうとしているような場所もある。したがって、保存地域の面積がはるかに広い。
そして、城の周辺にはこのような古い武家屋敷が建ち並んでいる。実に美しい。できれば、この家並みの前の道は自動車を排除してもらいたいが、まあそこまで要求はできないかもしれない。
そしてその一角に小泉八雲の旧居がある。なるほど、このような場所だからこそあのような作品が書かれたのだろうということがよくわかる。ラフカディオ・ハーンは城にあった中学校で教えていたのだから、ほんとうに職住近接だった。
そして、もうひとつ。松江の街を縦横に流れている堀川をめぐる遊覧船が10年前から運航されている。今回はそれに乗る時間がなかったが、このような形で都市の魅力をさまざまな視点から味わえる仕掛けがされているのも好ましい。
ほかの地方都市と流れている時間が異なる。そして、地元の人たちが景観も含めて文化遺産を大事にしていることがよくわかる。こういう街がたくさんあれば、日本も観光国として外国から客を惹きつけられると思うのだが、現実にはどこへ行っても同じような地方都市ばかりなのである。
by himitosh
| 2007-09-03 20:14
| 文化一般