2007年 09月 16日
『病める狐』 |
ミネット・ウォルターズ『病める狐』(創元推理文庫)読了。ミステリを読むことがすごく少なくなったわたしだが、翻訳が出れば必ず読む作家が何人かいる。イギリスの女性作家ミネット・ウォルターズはそのひとりである。
ウォルターズの代表作は何だろうか。印象に残っているのは『女彫刻家』だが、わたしの好みは(くすくす笑える)『氷の家』だ。彼女の小説を読んでいて思うのは、イギリスの階級社会をリアルに描く手際が見事であることだ。
この作品も例外ではなく、イングランドの小さな村に存在するさまざまな階層や社会集団の違いをくっきりと描き分け、そのなかでひとりひとりの登場人物を際だたせている。今風の言い方なら「キャラが立っている」のがこの人の小説なのである。
ただ、本作の印象としては、ミステリあるいはクライム・ノベルからどんどん遠ざかっている。その辺を思うと、最初に読むウォルターズ作品としてはあまりオススメできないかもしれないが、ファンなら十分楽しめると思う。
ウォルターズの代表作は何だろうか。印象に残っているのは『女彫刻家』だが、わたしの好みは(くすくす笑える)『氷の家』だ。彼女の小説を読んでいて思うのは、イギリスの階級社会をリアルに描く手際が見事であることだ。
この作品も例外ではなく、イングランドの小さな村に存在するさまざまな階層や社会集団の違いをくっきりと描き分け、そのなかでひとりひとりの登場人物を際だたせている。今風の言い方なら「キャラが立っている」のがこの人の小説なのである。
ただ、本作の印象としては、ミステリあるいはクライム・ノベルからどんどん遠ざかっている。その辺を思うと、最初に読むウォルターズ作品としてはあまりオススメできないかもしれないが、ファンなら十分楽しめると思う。
by himitosh
| 2007-09-16 15:27
| 本