2008年 02月 06日
毒は中国で? それとも日本で? |
JTフーズの毒入り餃子事件だが、単純な捜査では解決がなかなか難しそうだ。次に示すように中国の調査当局は日本で有毒物質が混入したという考えのようだ。
ただ、原因が明確にならない限り、中国で生産された食品を忌避する感情は日本の消費者からなくなることはないと思われる。
中国製冷凍ギョーザによる中毒事件について、中国国家品質監督検査検疫総局の魏伝忠副総局長は6日、「中国での製造過程で人為的に毒物が混入された可能性はきわめて低い」とし、日本で混入した可能性を示唆、「日中関係の発展を望まない極端な分子によって引き起こされた可能性がある」と述べた。ところが、日本の調査では国内で使われていない農薬や溶剤が原因で起こったことから、混入は中国で起きたと考えている。
魏氏は、訪中している日本政府調査団と北京市内で会談した際に発言。「食品安全の問題ではなく、人為的に行われた事件だ」と、故意の犯行との見方を中国当局者として初めて示した。中国側の調査から、製造元の天洋食品に問題はなかったとの考えを示し、「日本の調査団も確認したはずだ」と、安全性の高さを強調した。
日本側では、中国での製造過程で有機リン系農薬成分メタミドホスが混入したとの見方が強まっており、日中政府間で事件への見方の対立が表面化した形だ。
ただ、会談後、同総局の王大寧輸出入食品安全局長は「魏副総局長が話したのは一つの可能性。極端分子は中国側かもしれないし日本側かもしれない」と釈明した。(朝日新聞2月6日20時25分)
中国製ギョーザ中毒事件で、福島県で販売され、有機リン系殺虫剤「ジクロルボス」が検出された冷凍ギョーザのパッケージに付着していた有毒物質のうち、「ベンゼン」は国内の農薬には配合されていない成分であることが6日、分かった。農林水産省が発癌(がん)性を理由に農薬への配合を控えるようメーカーへ要請しており、流通する可能性はほとんどないという。ジクロルボスが国外で付着した可能性が高いことを示す“証拠”といえそうだ。両国の捜査当局の見方にこれほどの違いがある以上、餃子に毒物を混入させた人物にまでたどりつくのはそう簡単なことではあるまい。単純に犯罪事実だけの問題ではなく、そこに国のメンツや国民感情がからんできているからだ。
農水省農薬対策室によると、国内の農薬用有機溶剤として使用される可能性があるのはキシレンで、トルエンは補助剤として混じる可能性があるという。だが、ベンゼンは10年以上前から、農水省が口頭で農薬メーカーに使用しないよう要請しており、「現在流通している国内の農薬からは検出されない」(同室)としている。(産経新聞2月6日19時35分)
ただ、原因が明確にならない限り、中国で生産された食品を忌避する感情は日本の消費者からなくなることはないと思われる。
by himitosh
| 2008-02-06 20:51
| 社会