2008年 03月 01日
喫煙者の年金割り増し |
こんなニュースが目にとまった。
「俺はタバコを吸うから年金の割り増しをしてもらいたい」と自分で申し出る制度のようだが、早く死ぬことを前提としているわけだから申告の際の喫煙者の心情はけっこう複雑ではないかと想像する。平均寿命よりも長生きした場合には「大もうけした」と喜ぶのだろうか、それとも「非喫煙者のかたがたに申し訳ない」と思うのだろうか。
また、割り増しで年金をもらい始めてから禁煙をした場合にはどうなるのだろうか。毎年一回は喫煙を続けていることを証明するために尿を検査するのだろうか。そのときに(オリンピックのドーピング検査のように)他人の尿を提出するような悪者は出てこないだろうか。自分の尿を非喫煙者に売る喫煙者が出てきても不思議ではない。
割り増し年金をもらっている限りは煙草を吸い続けなければならないとすると、それはそれで精神的な負担になりそうな気もする。「俺は命をカネに替えてタバコを吸い続けている」と考えるだろうから。そういう意味ではこれは喫煙者にタバコをやめる決断を促す制度になるかもしれない。
それにしても喫煙者に対して年金の割り増しをするのなら、健康保険の掛け金の割り増しもセットで行うべきではないか。割り増しが難しければ、非喫煙者の掛け金の割り引きでもいいが。制度設計を純粋に数理的に考えると、こういう問題は避けて通れないように思う。
オランダからの報道によると、同国で老齢年金を運営する民間基金が2月29日、「平均余命が短い」ことを理由に喫煙者への年金支払額を割り増しする方針を発表した。愛煙家団体は「喫煙者の権利擁護へ向けた一歩」と歓迎している。そういえば「喫煙者は早死にをするから、健康保険財政に寄与している」とJT幹部が発言していたのを思い出す。そうした考え方の延長線上にはこのような発想が出てきてもおかしくはない。
報道によると、割り増し受給できるのは(1)過去5年間、毎日紙巻きたばこを10本以上吸い(2)1カ月以上、禁煙が続いたことがない―などの条件を満たす年金加入者で、尿検査により喫煙者であることを裏付ける必要がある。非喫煙者に比べて最大16%高い年金が支払われるという。(共同)
「俺はタバコを吸うから年金の割り増しをしてもらいたい」と自分で申し出る制度のようだが、早く死ぬことを前提としているわけだから申告の際の喫煙者の心情はけっこう複雑ではないかと想像する。平均寿命よりも長生きした場合には「大もうけした」と喜ぶのだろうか、それとも「非喫煙者のかたがたに申し訳ない」と思うのだろうか。
また、割り増しで年金をもらい始めてから禁煙をした場合にはどうなるのだろうか。毎年一回は喫煙を続けていることを証明するために尿を検査するのだろうか。そのときに(オリンピックのドーピング検査のように)他人の尿を提出するような悪者は出てこないだろうか。自分の尿を非喫煙者に売る喫煙者が出てきても不思議ではない。
割り増し年金をもらっている限りは煙草を吸い続けなければならないとすると、それはそれで精神的な負担になりそうな気もする。「俺は命をカネに替えてタバコを吸い続けている」と考えるだろうから。そういう意味ではこれは喫煙者にタバコをやめる決断を促す制度になるかもしれない。
それにしても喫煙者に対して年金の割り増しをするのなら、健康保険の掛け金の割り増しもセットで行うべきではないか。割り増しが難しければ、非喫煙者の掛け金の割り引きでもいいが。制度設計を純粋に数理的に考えると、こういう問題は避けて通れないように思う。
by himitosh
| 2008-03-01 17:47
| タバコ