2008年 04月 07日
ギャンブル依存症をめぐって |
それも当然だ。クルマで道路を走れば、畑のど真ん中にボコボコと巨大なパチンコ屋が林立している。あれだけたくさんのパチンコ屋があっても商売が成り立つのが不思議である。休みの日も平日も昼間も夜も駐車場にはたくさんのクルマが止まっている。
自転車通勤の経路にも複数のパチンコ屋があり、たまたま午前10時直前にその前を通りかかると、開店を待つ客たち(その多くがタバコを吸っている)が行列を作っている。そういう人たちを見るといつも病気ではないかと思う。
パチンコやスロットをせずにはいられない、その元手に消費者金融やヤミ金から借金を重ねる。こんな「ギャンブル依存症」を心の病として治療することで借金苦を減らそうと、多重債務問題に取り組む法律家や市民団体のメンバーらが近く「依存症問題対策全国会議」を発足させる。人間が生きるために何かに依存せずにはいられないということは理解できるが、その依存の対象がタバコであったりパチンコであったりアルコールであったりすることを受け入れられるのは理解できない。依存するならもうちょっとましなものに依存したいと思わないのだろうか。
秋田県仙北市で5日に開かれた「全国クレジット・サラ金問題対策協議会」が、「多重債務の原因としてのギャンブル依存問題に取り組む宣言」を決議。その中で「依存問題へ対処せずに債務整理だけしても、再びギャンブルが始まる。その結果、ヤミ金に手を出したり犯罪に走ったり命を絶ったりするなど深刻な事態になりかねない」として新組織の立ち上げを決めた。
「依存者」は、国内に200万人はいるとみられ、厚労省もすでに調査に乗り出しているが、新組織では「ギャンブル依存症」を精神障害と認めて保険診療の対象とするよう同省に働きかける。
メンバーの一人で、ギャンブル依存症専門のリハビリ施設「ワンデーポート」(横浜市)を運営するNPO法人理事長の稲村厚さん(48)は、00年の開設からこれまでに約260人の「病的ギャンブラー」を受け入れてきた。開店から閉店までパチンコ店に入り浸り、その後深夜までポーカーなど賭博。その元手は日雇い労働で稼ぎ、寝床はカプセルホテルやネットカフェ。それでもギャンブルをやめられない――そんな状態だった人も少なくないという。
施設では、アルコールや薬物の依存症と同じ社会復帰プログラムを使い、集団生活でお互いの体験を語り合いながら、約1年かけてギャンブル依存症を回復していくが、稲村さんは「ギャンブルをやめられない本人の罪悪感は深い。病気だから治療、回復できるとわかれば、社会復帰への一歩をつかめる」と話している。(朝日新聞4月7日7時52分)
パチンコ産業は年商30兆円という規模だそうだが、中央競馬の売り上げが年間3兆円足らずだからその十倍である。ギャンブル産業の根底には病的な心性が横たわっていると見ていいように思う。「健全な娯楽」と呼ぶにはいろいろ問題がありすぎる。
by himitosh
| 2008-04-07 11:42
| 社会