2008年 12月 10日
タバコ税増税でも迷走する麻生政権 |
自民党の税制調査会ではタバコ税の増税には反対の意見が強いとのことだが、数少ない財源としてタバコ税を上げようという動きは政府部内のあちこに存在する。そして麻生首相がこの問題についても右往左往している様子が報道から伝わってくる。
ところが、夕方になると今度は「そんな指示はしていない」と首相はシラを切っている。
もはや自民党内に確固とした支持基盤を持たない麻生首相の現状がこのような揺れ動く姿勢から透けて見えてくる。
自民党税制調査会内でのタバコ税引き上げへの反対論は全くナンセンスである。タバコ離れは現に進行中であり、税率を引き上げなければ税収が確保できないのは小学生でもわかる。結局のところ、タバコなどという国民の福祉に反する有害商品を財政のために温存する選択をすることが間違っている。
そもそも自民党の税制調査会の会合は喫煙可ということのようだ。人は自分に似せて穴を掘るわけだから、この連中にタバコ離れを促進することがいかに重要であるかを理解させるのはとうてい無理と思われる。
麻生太郎首相は10日午前、自民党本部で自民党税制調査会の津島雄二会長と会談し、「09年度予算で社会保障費の抑制方針の達成が大変厳しい」と述べ、党税調の協力を求めた。政府は舛添要一厚生労働相が今月初旬、中川昭一財務相に「たばこ税増税がなければ厚労省の予算編成は厳しい」などと要請しており、首相は党税調に対して事実上、09年度税制改正でのたばこ税引き上げを要請した。このように今日の午前中に自民党税制調査会に対してタバコ税の引き上げを事実上要請したというニュースが伝えられた。
政府は、小泉政権以来の社会保障費の自然増2200億円抑制について「限界に近づいている」(麻生首相)として、09年度予算で歳出削減幅を圧縮、千数百億円分はたばこ税増税で確保する方針に転換している。自民、公明両党の税調は同日午後の与党税制協議会で対応を協議するが、首相の要請で3年ぶりとなるたばこ増税が濃厚になった。引き上げ幅は1本当たり3円(1箱当たり60円)を軸に検討される見通しだ。
たばこ税を1本1円引き上げた場合、約400~500億円の税収増になるとの試算もあるが、たばこの国内販売量は下落傾向にあり、税収も微減が続いている。このため、自民、公明の税調協議では「増税に踏み切れば、たばこ離れが加速し逆に税収減になりかねない」(自民党税調幹部)との声も出ていた。
たばこ税をめぐっては、06年度税制改正大綱でも、国債発行額の抑制を目指す小泉首相(当時)の強い意向で自民党税調の反対論を押し切って、1本約1円のたばこ増税に踏み切ったケースがある。(読売新聞12月10日14時48分)
ところが、夕方になると今度は「そんな指示はしていない」と首相はシラを切っている。
Q:そのですね、社会保障費の財源として、今たとえばたばこ税ですとか、それの増税ですとか、そういった増税論があるのですが、これは与党内含め相当いろんな賛否があると思われます。総理はこのたばこ税については…。これは何を意味するのだろうか。いったんは財源が足りないのでタバコ税引き上げやむなしという判断を下したのに対して、おそらくタバコ税をめぐってJTとその意を汲む自民党の政治勢力がこの数時間のあいだに猛烈な巻き返しを行ったものと思われる。そうした圧力に屈したのが夕方のぶら下がり会見での見解表明なのだろう。
A:一部の新聞に報道があったということは知っていますけれども、たばこ税の増税を指示したことはありません。(読売新聞12月10日17時30分)
もはや自民党内に確固とした支持基盤を持たない麻生首相の現状がこのような揺れ動く姿勢から透けて見えてくる。
自民党税制調査会内でのタバコ税引き上げへの反対論は全くナンセンスである。タバコ離れは現に進行中であり、税率を引き上げなければ税収が確保できないのは小学生でもわかる。結局のところ、タバコなどという国民の福祉に反する有害商品を財政のために温存する選択をすることが間違っている。
そもそも自民党の税制調査会の会合は喫煙可ということのようだ。人は自分に似せて穴を掘るわけだから、この連中にタバコ離れを促進することがいかに重要であるかを理解させるのはとうてい無理と思われる。
by himitosh
| 2008-12-10 20:06
| タバコ