2008年 12月 24日
非正規雇用労働者の解雇をめぐって |
世界中を妖怪が歩き回っている。世界同時経済危機という名前の妖怪が。
アメリカを出発点とする経済危機は日本でも猛威をふるっており、それが端的に失業という形で現れている。そして真っ先に仕事を失ったのが非正規雇用の労働者たちである。派遣社員という労働形態を「多様な働き方を可能にする」とか「そうした労働を選ぶ人もいる」と弁護していた人々はいまこの事態をどう見ているのだろうか。
いずれにせよ、大企業の場合には千人単位で現場の労働力を切り捨てているわけだが、それはキヤノンやトヨタといった日本を代表する企業であり、その幹部が経済団体のリーダーを務めているケースが多い。そういう人々はたんなる一企業の盛衰しか視界に入れなくていいのだろうか。いやそうではあるまい。日本の経済、日本の社会の近未来に対する展望を持った上でさまざまな提言や方針を打ち出すべき人々なのではないか。
彼らの発言には、今回の米国発の経済危機は外から降りかかってきた「不測の事態」で、自分たちの責任などないというようなものが多い。しかし、実際にはアメリカ流の新自由主義的な資本主義を自分たちの金儲けに利用してきたのであって、そのプロセスにおいて「労働コストの削減」を目的に非正規雇用労働者を大量に使うようになってきたのである。
低い収入と不安定な身分しか与えられない非正規雇用労働者が増えることは日本の社会全体にとって果たしてプラスになるのか? 経営者団体や政府の経済財政諮問会議などでこうしたことが議論されたのであろうか? 企業としての利益を追求するために、派遣労働の職種拡大など規制緩和によって労働者の保護を外してきたのが小泉政権以来の経過である。
低いコストの労働力を利用して大きな利潤を上げてきながら、不況到来とともにあっさり解雇した労働者たちに対して経営者たちは「それはお前たちが非正規雇用などという不安定な身分でしか働けなかったのだから、自己責任だ」と言い放つのだろうか。自分の責任を認めない大企業の幹部たちがそれを言うのはオカシイと誰でも思うだろう。
日本のアメリカ化はたしかに進んできたと思うが、これはアメリカの最も真似すべきでない部分を受け入れた結果ではないか。こういう社会をわれわれが望んできたとはわたしはけっして考えない。
アメリカを出発点とする経済危機は日本でも猛威をふるっており、それが端的に失業という形で現れている。そして真っ先に仕事を失ったのが非正規雇用の労働者たちである。派遣社員という労働形態を「多様な働き方を可能にする」とか「そうした労働を選ぶ人もいる」と弁護していた人々はいまこの事態をどう見ているのだろうか。
いずれにせよ、大企業の場合には千人単位で現場の労働力を切り捨てているわけだが、それはキヤノンやトヨタといった日本を代表する企業であり、その幹部が経済団体のリーダーを務めているケースが多い。そういう人々はたんなる一企業の盛衰しか視界に入れなくていいのだろうか。いやそうではあるまい。日本の経済、日本の社会の近未来に対する展望を持った上でさまざまな提言や方針を打ち出すべき人々なのではないか。
彼らの発言には、今回の米国発の経済危機は外から降りかかってきた「不測の事態」で、自分たちの責任などないというようなものが多い。しかし、実際にはアメリカ流の新自由主義的な資本主義を自分たちの金儲けに利用してきたのであって、そのプロセスにおいて「労働コストの削減」を目的に非正規雇用労働者を大量に使うようになってきたのである。
低い収入と不安定な身分しか与えられない非正規雇用労働者が増えることは日本の社会全体にとって果たしてプラスになるのか? 経営者団体や政府の経済財政諮問会議などでこうしたことが議論されたのであろうか? 企業としての利益を追求するために、派遣労働の職種拡大など規制緩和によって労働者の保護を外してきたのが小泉政権以来の経過である。
低いコストの労働力を利用して大きな利潤を上げてきながら、不況到来とともにあっさり解雇した労働者たちに対して経営者たちは「それはお前たちが非正規雇用などという不安定な身分でしか働けなかったのだから、自己責任だ」と言い放つのだろうか。自分の責任を認めない大企業の幹部たちがそれを言うのはオカシイと誰でも思うだろう。
日本のアメリカ化はたしかに進んできたと思うが、これはアメリカの最も真似すべきでない部分を受け入れた結果ではないか。こういう社会をわれわれが望んできたとはわたしはけっして考えない。
by himitosh
| 2008-12-24 20:33
| 社会