2009年 05月 31日
受動喫煙と児童虐待 |
子どもは親を選んで生まれてくるわけではない。もちろん逆も言えるのだが。
こういう生活様式もまた文化資本として子々孫々に伝わっていくものなのである。
虐待を受けた6歳未満の児童は、虫歯が平均の3倍もあることが東京都の調査で30日、分かった。虐待と虫歯の状況との関係を調べたのは全国で初めて。虫歯の多い子どもについては、虐待されていることを疑う必要があるというこの報道と
虫歯の多さは、親の養育放棄(ネグレクト)や不規則な家庭生活などが関連しているとみられる。都は「虐待の早期発見のために、歯科検診の活用が期待できる」としている。
都は都歯科医師会の協力で、都内の児童相談所などで保護した1歳から小学生までの被虐待児童計170人を調査した。
6歳未満児の乳歯でみると、虫歯がある割合は平均(21%)の2倍以上の48%。1人当たりの虫歯数も3.0本と平均(0.9本)の約3倍だった。特に2歳児は3.5本と平均(0.5本)の約7倍だった。
6-12歳児の永久歯は、11歳児の虫歯数が4.2本と平均の約3倍。12歳児も6.9本と平均の約3倍でいずれも多かった。治療率は11歳児で13%と平均(74%)の2割以下だった。 (共同通信4月30日)
父母など同居する家族に喫煙者がいると幼稚園児や小学生は虫歯になりやすくなったり、歯肉が黒ずんだりする傾向のあることが、岡山大学の下野勉教授(行動小児歯科学)の研究チームの調査でわかった。受動喫煙が影響している可能性があるという。14日から大阪で開催中の日本小児歯科学会で発表した。を重ね合わせてみれば、家庭内で親がタバコを吸うのは児童虐待であると見なしてもいいように思う。子どもがいるところでタバコを吸うことをちっともオカシイとは思わないのは、子どもの成長や健康に関心がないことを意味する。また喫煙する親は自分の歯を大事にしないだろうから、その態度は子どもにも受け継がれる。
調査は、幼稚園児85人と小学生166人の計251人を対象にした。その結果、幼稚園児の約3割(23人)、小学生の約3割(51人)で歯肉が黒ずんでいた。このうち、約8割の幼稚園児19人、約7割の小学生37人は、父母など家族が喫煙者だった。これに対し、黒ずんでいない場合では、約3割の幼稚園児18人、約5割の小学生54人のみ、家族が喫煙していた。
また、小学生の歯肉の黒ずみ度を調べたところ、健康な歯肉の児童でも家族の5割弱に喫煙者がいたが、最も黒ずみのひどい児童らのグループでは全家族に喫煙者がいた。
また、虫歯になりやすくなっていることも示唆された。口の中の細菌の特徴から虫歯になる危険度を調べると、最も危険度の高いグループの6割は家族に喫煙者がいたが、低いグループでは4割にとどまっていた。
チームは、煙からの防御反応で歯肉が黒ずむのではないかとみている。また、たばこの煙によって唾液(だえき)の量などが減り、虫歯の原因となるミュータンス菌が増えた疑いがあるという。 (朝日新聞5月14日)
こういう生活様式もまた文化資本として子々孫々に伝わっていくものなのである。
by himitosh
| 2009-05-31 16:56
| タバコ