2009年 09月 03日
東京オリンピックはやらなくてもいいのでは |

大会期間中にはそれほど熱心に競技を追いかけていたわけではない。視聴率が80%を越えたという話の、バレーボール女子の決勝のときも、わたしは本を読んでいて中継を見ていない。
ただ、やはりひとつぐらい競技を見ておいたほうがいいと思って、すぐ上の姉と一緒にホッケーを見た。場所は駒沢のスポーツ公園のなかにあった競技場だ。それは渋谷の入場券売場で買えた唯一の競技だったからで、ホッケー競技そのものはなかなかおもしろかったが、客席はガラガラだったのをおぼえている。
東京オリンピックには「日本中が熱狂した」というような話が伝えられることが多いが、実際はほんの一部の人々のことのように思う。
オリンピックを機会に東京と日本が大きく変化したことは、今ならよくわかる。近代化して綺麗になったというのはたしかだが、それでよくなったかというと、必ずしも肯定的な感情を持てない。時代の必然だったというのはわかるし、戦後の復興の総決算という理解も間違いではない。
国際オリンピック委員会(IOC)は2日、2016年夏季五輪の開催地に立候補している4都市に対する評価委員会の報告書を公表し、東京は世論支持率の低さなどが指摘される厳しい結果となった。一方、「南米初の五輪」を目指すリオデジャネイロ(ブラジル)が高い評価を受けた。オリンピック開催候補地の4都市のなかで東京の世論支持率が最低である、というのはよくわかる。あえてこのような大きなイベントを招致するメリットを日本国民は感じとれないのではないか。下手をしたら膨大な赤字が残るかもという不安もあるだろうが、国民的一致や興奮みたいなものを好ましく思わない人が増えているように思う。それは国民としての成熟度が高まっていることの反映でもある。
報告書では4都市の順位付けなどはなかったが、各都市別に長所、短所を記述した。
IOCが独自に実施した世論支持率調査(「強い支持」と「支持」)では、東京が55.5%と最低。マドリード(スペイン)は84.9%、リオデジャネイロは84.5%、シカゴ(米国)は67.3%だった。(毎日新聞9月2日22時0分)
わたし自身のことを言えば、官製のお祭りにはどうにも拒否感が先立つ。「もう一回オリンピックをやる必要はない」というのが日本人の大多数の意見ではないかと思う。
by himitosh
| 2009-09-03 10:34
| 社会