2009年 09月 17日
地方空港とカーゴカルト |

1962年の映画「世界残酷物語」(グァルティエロ・ヤコペッティ監督)は、去ってしまった神々が再びやって来ることを祈って、自分たちで滑走路を造り、木製の飛行機を作って待つ人々のシーンで終わる。こういう人々とわれわれはそう違わないのではないか。
空港を作れば人やモノがたくさん流れ込んで、その地方が繁栄するという考え方自体がまさにカーゴカルトである。高速道路や新幹線もそれに近い。
松本空港はどうやら定期便はなくなる方向に向かっている。そうなると2千mの滑走路は無用の長物となり、草ぼうぼうのオープンスペースに変わり果てるのではないか。日本の地方空港のほとんどは、この写真と同じようなカーゴカルトの遺跡になってしまう可能性が高いと思う。
「歴史とは愚行の連続である」と喝破した学者がいたが、愚行の遺跡は日本中どこにでもすぐに見つけることができる。
by himitosh
| 2009-09-17 08:33
| 社会