2009年 09月 22日
JALという会社 |
1クラスが30人ぐらいだったが、全員が若い女性で、みんな化粧なんかもすごく気合が入っていて、教室に入ると香水だか化粧品だかの匂いが強烈だった。金曜の夜のクラスを担当すると、学校の前にボーイフレンドたちの迎えの車がずらりと並んでいたのをおぼえている。
わたしが教えていたのは世界史と一般教養だったが、実に常識的なことしか入社試験では出てこないので、とりわけ授業の準備をする必要もなくて、楽なアルバイトだった。2年ぐらいやったのではないか。
スチュワーデスが「あこがれの職業」だったのは、待遇の良さがよく知られていたからだ。入社数年で年収6百万円ぐらいというようなことや、ハイヤーで空港と自宅を送り迎えしてくれるとかいう話が伝わっていた。今はそれも昔話で、CAの正社員が少なくなって、待遇もかなり引き下げられたということらしい。
それでも、JALについては「ヘンなんじゃない?」と思うことが多い。まず全社員4万人で組合が7つあるという。もちろんパイロットなどは別になるのはわかるが、地上職も職種別で細分化されて、それがばらばらにストを打つことがある。それではなかなか話がまとまるまい。
退職者の年金引き下げでももめている。たしかに、退職した者にとっては当然の権利だろうが、会社が倒産してしまっては元も子もないのではないか。JALは今年度末には負債が資産を超過するという。
業績悪化の理由として新型インフルエンザと金融恐慌による乗客数の大幅な減少をあげているが、それはどの航空会社に共通した事情のはずだ。なぜとりわけJALにだけ影響が深刻にあらわれたかを説明してもらわないと理解できない。
JALにはすでに公的援助が行われているが、さらに資金を必要としている。しかし、赤字を垂れ流す体質を改善しない限り、新たな資金を投入しても、また同じことを繰り返すのではないか。その赤字体質の中に松本空港をはじめとする地方空港の路線があるという話だが、実際にはJALの企業体質のほうにより大きな原因があるのではないか。
いずれにせよ、ナショナル・フラッグ・キャリアなどという名称は「親方日の丸」のルビのように感じられる。
by himitosh
| 2009-09-22 20:09
| 社会