2005年 12月 18日
「小間使の日記」 |
今日はとうとう気温がプラスにならない真冬日だった。一日雪が降ったりやんだり。それもサラサラの粉雪。自宅の近くでもちょっと急な斜面なら気持よくスキーができそう。といっても、まだ積雪は5cmぐらいか。まあ、これが根雪だな。三月になるまでは、日陰にはずっと雪が残ってるだろう。
そんなわけで、ちょっと用事で近くに(車で)出かけた以外はずっと家の中で過ごす。雪の上をランニングするほどわたしは酔狂ではない。
ずっとディスプレイの前で仕事をしていたのだが、さすがに夕方になって疲れてきて、DVDで映画「小間使の日記」(ルイス・ブニュエル監督)を見る。この映画を見るのは40年ぶりぐらい。主役のジャンヌ・モローをはじめ、出てくる俳優たちの恐ろしいほどの存在感に感銘を受ける。
パリから田舎のブルジョワ家庭にやって来た小間使い(ジャンヌ・モロー)の物語であるが、このブルジョワ一家の人間が全員おかしい。靴フェチ、脚フェチの爺さん、色情狂の旦那、性的潔癖症でケチな奥様という具合で、使用人たちもふつうではない。下男が『アクション・フランセーズ』を購読している右翼という設定で、映画のなかでこういう政治的設定が出てくるのはあまり見たことがない。
ただ、映画自体は「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」のような素っ頓狂なところがまったくなくて、実に端正な撮りかたをしており、白黒の画面も美しい。ただ、そこで描かれる人物の異常さはやっぱりブニュエルである。彼のことを「偏屈爺さん」「変態爺さん」と呼んでも差し支えなかろう。ブルジョワジーに対する厳しい視線は他の映画と共通している。
そして、ふつうの意味でのカタルシスをもたらすような映画ではない。だが、これも現在でもちっとも古くなっていない映画である。
そんなわけで、ちょっと用事で近くに(車で)出かけた以外はずっと家の中で過ごす。雪の上をランニングするほどわたしは酔狂ではない。
ずっとディスプレイの前で仕事をしていたのだが、さすがに夕方になって疲れてきて、DVDで映画「小間使の日記」(ルイス・ブニュエル監督)を見る。この映画を見るのは40年ぶりぐらい。主役のジャンヌ・モローをはじめ、出てくる俳優たちの恐ろしいほどの存在感に感銘を受ける。
パリから田舎のブルジョワ家庭にやって来た小間使い(ジャンヌ・モロー)の物語であるが、このブルジョワ一家の人間が全員おかしい。靴フェチ、脚フェチの爺さん、色情狂の旦那、性的潔癖症でケチな奥様という具合で、使用人たちもふつうではない。下男が『アクション・フランセーズ』を購読している右翼という設定で、映画のなかでこういう政治的設定が出てくるのはあまり見たことがない。
ただ、映画自体は「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」のような素っ頓狂なところがまったくなくて、実に端正な撮りかたをしており、白黒の画面も美しい。ただ、そこで描かれる人物の異常さはやっぱりブニュエルである。彼のことを「偏屈爺さん」「変態爺さん」と呼んでも差し支えなかろう。ブルジョワジーに対する厳しい視線は他の映画と共通している。
そして、ふつうの意味でのカタルシスをもたらすような映画ではない。だが、これも現在でもちっとも古くなっていない映画である。
by himitosh
| 2005-12-18 19:43
| 映画