2006年 03月 15日
「ナルニア国物語 ライオンと魔女」 |
夕食後、家人と息子の三人で映画「ナルニア国物語 ライオンと魔女」(アンドリュー・アダムソン監督)を見に行く。平日の最終回だが、30人近く観客がいた。
映画は・・・・C・S・ルイスの原作を読んでいない人には、あるいは原作にある程度思い入れのない人には退屈かもしれない。わたしの場合には、このシリーズは馴染みが深いのでけっこう楽しく見ることができた。こういうファンタジー系の映画をおもしろく見るには、そういう事前の準備が必要と思われる。
かなり忠実に原作を映像化しているのだが、違うのは(この物語が書かれた)同時代をはっきりメタファーとして映画のなかで表現している点だろう。ファースト・シーンで第二次大戦の空襲下の英国が描かれるとは予想しなかった。
わたしの見るところではトールキンの『指輪物語』のほうが時代のアナロジーがはっきりしている。悪の化身サウロン=ヒトラーというメタファーは随所で読み取ることができる。しかしながら映画「ロード・オブ・ザ・リング」(ピーター・ジャクソン監督)はそのあたりをほとんど回避していた。
子役たちも、ルーシー役が一番いいと思うが、ほかの子たちもまずまずだろう。ただ、こういうたくさんの読者がいる原作を映像化するのは難しい。「なんかイメージが違うなあ」というような場面はそれなりに多い。
ニュージーランドでロケをしているところなど、「ロード・オブ・ザ・リング」とよく似たシーンが多い。
それからもうひとつ気になったことがある。それは非常に短いカットをつなぎ合わせているシーンが多いことだ。いまどきTVのコマーシャルでもこれほど短いカットをつぎはぎするものは少ない。こういうのが今風だとしたら、ちょっと敬遠したい。つなぎ方を意識させるということ自体が失敗を意味しているように思う。
楽しめたが、感心するほどではない。それが今日の結論である。
by himitosh
| 2006-03-15 22:43
| 映画