2005年 04月 28日
前途多難な信州大学法科大学院 |
信州大学の法科大学院の最高責任者である又坂研究科長が辞任することになった。
法科大学院の申請段階で就任予定スタッフの業績となる論文が未完成であるのに、これを「完成済み」とした証明書を出したことが理由で、小宮山学長から辞任勧告があったのだそうだ。
この話は以前の日記にも書いたが、どうにも気分のよくない話である。
全国で70以上も法科大学院が設置されたことの背景には、「あそこの大学がやるからにはうちもやらねば」という右へならえ式の発想があったことは間違いない。法曹の養成とその市場での需給関係に関する冷静で緻密な計算があったとは到底思えない。いわば「やればやったで何とかなるさ」という感じでひたすら前へ突っ込んでいったのではないか。
もともと法学部があったわけではない信州大学ではただでさえハンディがあったのに、こういう事態が明らかになってしまうと更なるイメージダウンは免れない。今年の法科大学院入学者の間でも不安の声があったという。
二年目を迎えた大半の法科大学院での志願状況は悲惨なぐらいの落ち込みを見せているし、実際のところ7千人もの修了生が毎年生み出されても、司法試験をパスできずに路頭に迷う者も大勢出るだろう。
一年遅れのスタートということで信大の法科大学院の志願倍率は決して高くなかった。法科大学院の評価は二年後、三年後には司法試験への合格者数・合格率の数字にはっきりと表れてしまう。そこで冷厳たる数字を前にして「こんなはずではなかった」と唇を噛む関係者が全国にぞろぞろ出てくるのはまず確実だ。それが信州大学のスタッフでないことを祈りたい。
法科大学院の申請段階で就任予定スタッフの業績となる論文が未完成であるのに、これを「完成済み」とした証明書を出したことが理由で、小宮山学長から辞任勧告があったのだそうだ。
この話は以前の日記にも書いたが、どうにも気分のよくない話である。
全国で70以上も法科大学院が設置されたことの背景には、「あそこの大学がやるからにはうちもやらねば」という右へならえ式の発想があったことは間違いない。法曹の養成とその市場での需給関係に関する冷静で緻密な計算があったとは到底思えない。いわば「やればやったで何とかなるさ」という感じでひたすら前へ突っ込んでいったのではないか。
もともと法学部があったわけではない信州大学ではただでさえハンディがあったのに、こういう事態が明らかになってしまうと更なるイメージダウンは免れない。今年の法科大学院入学者の間でも不安の声があったという。
二年目を迎えた大半の法科大学院での志願状況は悲惨なぐらいの落ち込みを見せているし、実際のところ7千人もの修了生が毎年生み出されても、司法試験をパスできずに路頭に迷う者も大勢出るだろう。
一年遅れのスタートということで信大の法科大学院の志願倍率は決して高くなかった。法科大学院の評価は二年後、三年後には司法試験への合格者数・合格率の数字にはっきりと表れてしまう。そこで冷厳たる数字を前にして「こんなはずではなかった」と唇を噛む関係者が全国にぞろぞろ出てくるのはまず確実だ。それが信州大学のスタッフでないことを祈りたい。
by himitosh
| 2005-04-28 20:33
| 大学