2006年 08月 11日
喫煙者は就職できない時代が始まっている |
今年の4月に書いたエントリーで、喫煙者を採用しない企業を紹介した。業種は接客業なのでタバコ臭い人間には向かないのはいうまでもないが、そこでは定期的にニコチンを補給しなくてはいけない従業員を抱えることに対する経営面からのデメリットが強調されていた。
これがあながち特異な例ではなくなりつつある。
たとえば、ヨーロッパでは「喫煙者お断り」の求人条件を出した企業に対して、欧州委員会は「差別にはあたらない」という判断を下したという。そういう条件を出したのはアイルランドの企業だが、「企業は完全に差別の非難を受けることなく、喫煙者を拒否できる」(シュピドラ雇用・社会問題・機会均等委員)と言明したという。
受動喫煙による社員の健康問題だけでなく、ニコチンが切れると戦力にならない社員をなくすことで企業の力を伸ばそうという経営的視点が出てくるのは当然であろう。次のような調査結果もある。
実際のところ学生たちの話を聞いていると、就職説明会や面接試験の会場はタバコが吸えないところがほとんどだそうだ。喫煙所が用意されているケースがほとんどない。
これはその企業のなかでは職場は禁煙になっていて喫煙者のためには喫煙ルームが用意されていても、そうした特別な措置にはコストがかかる。また、上の調査結果からわかるように、喫煙者は非喫煙者とくらべると労働力としての質が劣る。したがって、「うちはタバコを吸う奴は採らないよ」とはっきり示していなくても、新たに採用する場合には非喫煙者を採りたいという企業側の考え方が反映しているのではないか。喫煙所を作らなければ、ニコチン切れでイライラするような志願者をあらかじめ排除できるのである。
また、現行の健康保険制度下では、大企業では企業ごとに健康保険組合が作られており、従業員の年金と健康保険料の半分は企業が負担している。喫煙者には病気にかかり欠勤するものが多いということは、それだけ企業の負担が大きくなることを意味する。そう考えると、喫煙者を採らないことにより将来的な医療費の支払いを予防する効果があることから、今後、医療費の支払い節減を目的に大企業も喫煙者の排除に走り、採用選考からの除外のみならず、喫煙を理由としたリストラ、なんてことも、それほど非現実的ではなくなるかもしれない。(アメリカではすでにそういう例が出てきている。自宅で喫煙したことがわかった従業員が解雇されたケースである。「従業員に喫煙者がいることによって医療保険費が高くなり、会社経営に負担がかかる」というのがその理由であった。これは健康保険サービスの受託をしている会社だったから、企業イメージの問題もあったのだろう。)
Googleで「就職」「喫煙者」「採用」などの用語で検索してみれば、喫煙者を採用しない企業がボロボロ出てくる。たとえばこの会社は
その他にもこの会社も喫煙者を採用していない。大手企業ではこんなところが
わたしは学生に対する禁煙教育をもっと徹底的にやるべきだと考えている。このまま学生たちの喫煙を認め続ければ → 就職率は低下 → 大学の評価も低下 → 志願者の激減 → 大学の存亡の危機、という流れになっていくのではないかと危惧するものである。
これがあながち特異な例ではなくなりつつある。
たとえば、ヨーロッパでは「喫煙者お断り」の求人条件を出した企業に対して、欧州委員会は「差別にはあたらない」という判断を下したという。そういう条件を出したのはアイルランドの企業だが、「企業は完全に差別の非難を受けることなく、喫煙者を拒否できる」(シュピドラ雇用・社会問題・機会均等委員)と言明したという。
受動喫煙による社員の健康問題だけでなく、ニコチンが切れると戦力にならない社員をなくすことで企業の力を伸ばそうという経営的視点が出てくるのは当然であろう。次のような調査結果もある。
喫煙する労働者は、たばこを吸わない人や、やめた人に比べ、仕事の効率が悪いとの調査結果を、米国の医療関係の調査会社、エクスポネント社と製薬大手、グラクソ・スミスクラインなどの研究グループが4日、発表した。
米国のある航空会社の窓口で働く人々を、非喫煙者と喫煙者、たばこをやめた人に分け、それぞれ約100人ずつを対象に、個人の売り上げ記録や、電話を取った回数を調査。
これに仕事の効率に対する自己や上司による評価などを加えて数値化した。
非喫煙者の仕事の効率を示す数値は、喫煙者より5%以上高く、喫煙者の欠勤日数は、吸わない人の3倍にも達した。
たばこをやめた人は両者の中間で、禁煙期間が長くなるほど、効率は高まる傾向にあった。
効率が落ちるのは、たばこを吸えずにイライラする時間が多いことや、喫煙のために職場を離れる時間が長いことが原因らしい。
エクスポネント社は「労働効率の低下は、企業や社会にとって目に見えないコスト。
実際のところ学生たちの話を聞いていると、就職説明会や面接試験の会場はタバコが吸えないところがほとんどだそうだ。喫煙所が用意されているケースがほとんどない。
これはその企業のなかでは職場は禁煙になっていて喫煙者のためには喫煙ルームが用意されていても、そうした特別な措置にはコストがかかる。また、上の調査結果からわかるように、喫煙者は非喫煙者とくらべると労働力としての質が劣る。したがって、「うちはタバコを吸う奴は採らないよ」とはっきり示していなくても、新たに採用する場合には非喫煙者を採りたいという企業側の考え方が反映しているのではないか。喫煙所を作らなければ、ニコチン切れでイライラするような志願者をあらかじめ排除できるのである。
また、現行の健康保険制度下では、大企業では企業ごとに健康保険組合が作られており、従業員の年金と健康保険料の半分は企業が負担している。喫煙者には病気にかかり欠勤するものが多いということは、それだけ企業の負担が大きくなることを意味する。そう考えると、喫煙者を採らないことにより将来的な医療費の支払いを予防する効果があることから、今後、医療費の支払い節減を目的に大企業も喫煙者の排除に走り、採用選考からの除外のみならず、喫煙を理由としたリストラ、なんてことも、それほど非現実的ではなくなるかもしれない。(アメリカではすでにそういう例が出てきている。自宅で喫煙したことがわかった従業員が解雇されたケースである。「従業員に喫煙者がいることによって医療保険費が高くなり、会社経営に負担がかかる」というのがその理由であった。これは健康保険サービスの受託をしている会社だったから、企業イメージの問題もあったのだろう。)
Googleで「就職」「喫煙者」「採用」などの用語で検索してみれば、喫煙者を採用しない企業がボロボロ出てくる。たとえばこの会社は
「競争戦略上、喫煙者の採用は致しません。これは正社員に限らず、アルバイトを含めたすべての職種に該当します。接客時において、体に染み付いた煙の匂いは、サービスの品質を著しく損ないます。喫煙習慣のある社員の喫煙休憩は、喫煙習慣のない社員からみて不公平であり、作業効率を低下させます。喫煙所の汚れは資産の劣化を招き、喫煙所のスペース確保は施設の利用効率を低下させます。」としている。
その他にもこの会社も喫煙者を採用していない。大手企業ではこんなところが
「全社禁煙となっています。勤務時間中はもちろん、休憩時間・残業時間中も禁煙です。喫煙の習慣のある方は、入社後の拘束時間と出退勤途上は社内外に関わらず、一切喫煙の出来ないことを予めご了承ください。」とはっきりと打ち出している。
わたしは学生に対する禁煙教育をもっと徹底的にやるべきだと考えている。このまま学生たちの喫煙を認め続ければ → 就職率は低下 → 大学の評価も低下 → 志願者の激減 → 大学の存亡の危機、という流れになっていくのではないかと危惧するものである。
by himitosh
| 2006-08-11 17:14
| タバコ