2005年 05月 05日
大学院生受難の時代 |
読売新聞の記事によれば博士号を取得したものの定職に就けないポストドクターの数が2004年度には1万2500人に達したという。前年よりも2300人も増えている。ポストドクターも次第に高年齢化が進み、一種の社会問題と化しつつある。
文科省はこれまで一貫して大学院の拡大を推進してきたが、大学院修了者の進路については、ポストドクターのための給付制度や非常勤の研究職などは増やしたが、彼らが定職に就くための対策はほとんどゼロといってもいいだろう。言い方は悪いが「どんどん大学院に進学してください。でもそこを出たあとは知りませんよ」というのが文科省の姿勢なのである。
大学院生の大半は研究職に就くことを望んでいるが、そうした職を提供するはずの大学が時代とともにシュリンクしてきている。そのために学位を取得しても将来の見込みがさっぱり立たない若者たちがこれから先増える一方となる。
理系と文系とを問わず、高い学歴や学位を持つ者を日本の企業社会は受け入れたがらない。大学の学問と現実社会の要請がかけ離れているという認識と同時に、従業員を管理する際に異分子として扱いにくいからであろう。
「大学院に進学してもっと勉強したい」という学生たちの意欲は大いに買うのだが、彼らの将来が抱える不安を考えると誰にでも「いいんじゃないか。大学院に進学しなさい」とは勧められないのが実状なのである。大学院に進学することは、以前のようなモラトリアムではなくて、一種のヤクザな稼業に身を投じることを意味する。それだけの覚悟を持たないととても続けられない。
そういうことを縷々説明した上で、それでもやっぱり大学院進学を希望する学生にはそれなりの指導をしてやらないといけないのである。
それでも文科省はまだまだ大学院生を増やすつもりらしい。人口千人あたりの大学院在学者数を現在の約2人から2030年には四倍の8人に引き上げるという数値目標を設定したという。大学院の設置基準を緩和し、通信制(インターネット利用)や夜間大学院の拡充をはかるという。
発想としては社会人を大学院に取り込もうということのようだ。つまり高齢者が大学院で技能教育を受けることで定年後の再雇用を促進したり、失業者に別の職業能力をつけることで労働市場に再参入できるようにするということを狙っているという話だ。
う~ん。そういう大学院というのはもはや職業教育を行う専門学校に近いもののような気がする。また、そうした大学院が可能だとすれば、それは需要がある分野と地域だけではないだろうか。つまり大都市で、そして実務と深いつながりを有する学問分野だけで可能になるだろう。
予想としては、そういう大学院ができたとしても、果たしてどれだけの志願者を集められるかかなり疑問がある。
文科省はこれまで一貫して大学院の拡大を推進してきたが、大学院修了者の進路については、ポストドクターのための給付制度や非常勤の研究職などは増やしたが、彼らが定職に就くための対策はほとんどゼロといってもいいだろう。言い方は悪いが「どんどん大学院に進学してください。でもそこを出たあとは知りませんよ」というのが文科省の姿勢なのである。
大学院生の大半は研究職に就くことを望んでいるが、そうした職を提供するはずの大学が時代とともにシュリンクしてきている。そのために学位を取得しても将来の見込みがさっぱり立たない若者たちがこれから先増える一方となる。
理系と文系とを問わず、高い学歴や学位を持つ者を日本の企業社会は受け入れたがらない。大学の学問と現実社会の要請がかけ離れているという認識と同時に、従業員を管理する際に異分子として扱いにくいからであろう。
「大学院に進学してもっと勉強したい」という学生たちの意欲は大いに買うのだが、彼らの将来が抱える不安を考えると誰にでも「いいんじゃないか。大学院に進学しなさい」とは勧められないのが実状なのである。大学院に進学することは、以前のようなモラトリアムではなくて、一種のヤクザな稼業に身を投じることを意味する。それだけの覚悟を持たないととても続けられない。
そういうことを縷々説明した上で、それでもやっぱり大学院進学を希望する学生にはそれなりの指導をしてやらないといけないのである。
それでも文科省はまだまだ大学院生を増やすつもりらしい。人口千人あたりの大学院在学者数を現在の約2人から2030年には四倍の8人に引き上げるという数値目標を設定したという。大学院の設置基準を緩和し、通信制(インターネット利用)や夜間大学院の拡充をはかるという。
発想としては社会人を大学院に取り込もうということのようだ。つまり高齢者が大学院で技能教育を受けることで定年後の再雇用を促進したり、失業者に別の職業能力をつけることで労働市場に再参入できるようにするということを狙っているという話だ。
う~ん。そういう大学院というのはもはや職業教育を行う専門学校に近いもののような気がする。また、そうした大学院が可能だとすれば、それは需要がある分野と地域だけではないだろうか。つまり大都市で、そして実務と深いつながりを有する学問分野だけで可能になるだろう。
予想としては、そういう大学院ができたとしても、果たしてどれだけの志願者を集められるかかなり疑問がある。
by himitosh
| 2005-05-05 09:59
| 大学