2007年 04月 14日
保険とタバコ |
保険金不払いに関するこういう記事を読むと、なるほどそうだろうなと思う。何がって、保険という事業そのものが持っているある種のいかがわしさを感じるからだ。
しかし、三大疾病(がん、脳卒中、心筋梗塞)特約という保険だが、日本生命をはじめ大手の保険会社は非喫煙者に対する保険料の割引制度をいまだに導入していないのだ。この三大疾病のいずれもタバコが最大のリスク要因であるのに。つまり、非喫煙者は喫煙者のリスクを経済的に負担しているのが今の日本の保険会社の仕組みなのである。
イタリアに留学していたときにドイツから来ていた人と知り合いになった。彼は車に乗ると、運転する場合はもちろん、後部座席で客として移動する場合でも必ずシートベルトをする人だった。どんな場合でもシートベルトをする理由を尋ねたことがあった。彼の説明はとても簡単だった。「保険だ。ドイツの自動車保険はシートベルトをしていないで事故にあったときには保険金が大幅に減額されるんだ」という話だった。
思うに生命保険なども同じようにすべきではないか。タバコを吸いながらこの種の保険に加入するのは、シートベルトをしないで車を運転するのと同じことだろう。逆にタバコを吸わない人はシートベルトをしていることになる。前者の保険料を高く、後者を低くするのは理にかなっている。
喫煙、非喫煙を見きわめるのはとても簡単である。ごく少量の唾液を検査すれば、タバコを吸っているかどうかが判別できる。事実、中小の保険会社で非喫煙者割引制度を導入しているところはそういうやり方をとっている。
いろいろな形で脱タバコへ時代を動かしていく必要があると考えている。
生命保険38社は13日、01~05年度の保険金の不払いについて初の本格的な調査結果を金融庁に報告した。記者会見して内容を公表した大手・中堅12社の合計では、確定した不払い件数は特約を中心に約10万6000件、保険金総額で約247億円に達した。不払いの恐れがある契約110万件に請求を呼びかけており、各社の不払い件数と金額は今後、大幅に増える見通しだ。保険会社が利益を上げる方法は非常に簡単である。誰が考えてもすぐにわかる。保険料はがっちり取り立て、保険金の支払審査を厳しくすれば手元に残る収益は増える。また、この記事にあるように「請求されなければ保険金は支払わない」というのも実に簡単な方法だ。しかも金額がものすごい。さりげなく数百億円というカネが保険会社に転がり込んでいたわけだ。その分は収益金に含まれていたのだろう。
保険金とは別に、失効した契約を解約した際に支払う一時金「失効返戻金」などの支払い漏れも12社合計で約12万件、約20億円判明した。
この日報告した全38社の不払い・支払い漏れはすべて足し合わせると約25万件、284億円に上った。
不払いの恐れのあるものも含めた全体でみると、医療保険の本契約に付随する「通院特約」がらみの不払い事例が突出して多かった。入院時の給付金以外に、退院後の通院でも給付金がもらえる特約での不払いの恐れがある契約は当初、大手4社で50万件を超えるとみられていたが64万件余りになり、12社では約85万件に達した。このほか、手術関係の特約なども含めると不払いの恐れが残るのは110万件に上る。
1件あたりの不払い額では、がん、脳卒中、心筋梗塞(こうそく)の場合、入院給付金とは別に一時金などが出る「3大疾病特約」が大きい。13日の段階で調査結果がまとまった10社分の合計で約4000件、110億円にのぼる。
入院給付金を請求する際に保険会社に出した診断書に「がん」と病名が書いてあるにもかかわらず、特約分の一時金は請求がなかったため支払わないケースなどが多かった。1人あたり不払い額は300万円前後が多いが、2000万円の例もあった。
不払いの原因として各社は、事務的なミスに加え、生保側から請求を案内すべきだったのに放置していたことを挙げた。事務作業では、入院日数の入力ミスや、病名や手術内容を診断書の「経過」の欄に書いてあったため入力を忘れた、などのケースが多かった。
各生保は、不払いになっている恐れのある契約者に請求を促す案内文書を郵送する作業を始めているほか、電話や営業職員の訪問なども予定している。問い合わせ窓口も設ける。請求があれば必要な診断書などの提出を受けて、支払額を確定する。不払い額が固まるのは9月末の見通し。
再発防止策として各社は、保障内容がわかるような案内を契約者に渡す制度や、診断書の内容から請求できる内容を契約者に案内するシステムなどを取り入れる。
一方、金融庁は今後、生保各社の報告内容を精査し、行政処分を検討する方針だ。 (朝日新聞)
しかし、三大疾病(がん、脳卒中、心筋梗塞)特約という保険だが、日本生命をはじめ大手の保険会社は非喫煙者に対する保険料の割引制度をいまだに導入していないのだ。この三大疾病のいずれもタバコが最大のリスク要因であるのに。つまり、非喫煙者は喫煙者のリスクを経済的に負担しているのが今の日本の保険会社の仕組みなのである。
イタリアに留学していたときにドイツから来ていた人と知り合いになった。彼は車に乗ると、運転する場合はもちろん、後部座席で客として移動する場合でも必ずシートベルトをする人だった。どんな場合でもシートベルトをする理由を尋ねたことがあった。彼の説明はとても簡単だった。「保険だ。ドイツの自動車保険はシートベルトをしていないで事故にあったときには保険金が大幅に減額されるんだ」という話だった。
思うに生命保険なども同じようにすべきではないか。タバコを吸いながらこの種の保険に加入するのは、シートベルトをしないで車を運転するのと同じことだろう。逆にタバコを吸わない人はシートベルトをしていることになる。前者の保険料を高く、後者を低くするのは理にかなっている。
喫煙、非喫煙を見きわめるのはとても簡単である。ごく少量の唾液を検査すれば、タバコを吸っているかどうかが判別できる。事実、中小の保険会社で非喫煙者割引制度を導入しているところはそういうやり方をとっている。
いろいろな形で脱タバコへ時代を動かしていく必要があると考えている。
by himitosh
| 2007-04-14 16:31
| タバコ