2007年 05月 09日
タバコを吸うと寿命が縮まる |
このエントリのタイトルはあまりにも当たり前のことだと誰もが思うだろう。「タバコが身体に悪いことぐらいわかっているさ」と喫煙者たちも言うかもしれない。しかし、それが厳密なデータとして示されても、はたしてその態度をずっと続けられるものだろうか。
今朝の読売新聞Web版に次のようなニュースが掲載されている。
調査時点でタバコを吸っていた人たちがその後に禁煙したケースも考えられるので、死ぬまで(あるいは死に至る病が発覚した時点まで)吸い続けた人はもっと寿命が短くなったことは確実であろう。
男女の寿命差は上に見られるような、喫煙率の差がもたらす部分が大きいと考えるのも理にかなっている。
上のグラフはイギリスで行われた同じような調査の結果である。1951年以降3万5千人の男性医師を対象として継続的に得られたデータである。これを見ても、明らかに喫煙者は若くして病を得て死ぬのである。もちろん、喫煙しながらも長寿を得た人もいるだろう。しかし、データはタバコのもたらすリスクの大きさを語るのである。自分がその幸運な例外になることを祈りながらタバコを吸い続けるのは正気の沙汰ではない。
<追記>
この記事についてはあちこちのブログで取り上げられており、なかには喫煙者が「吸わない人は80才平均で、吸う人は70才平均です。とかっていう結果なら10年も違うのかそれは困った、やめた方がいいかもなぁ~って思いますが、この結果からだと2箱吸っていても4年でしょう…。吸わない人が80才平均とするならば吸う人が76才。これなら、まっ、いっかって思ってしまいますよね」というような感想を述べているものもある。
だが、この人はQOLのことを無視している。タバコ病は肺ガンにしろCOPDにしろ、死にいたるまでの数年間(あるいは十数年間)の生活を悲惨なものにしてしまう。植木等が青島幸男の告別式に酸素ボンベを携帯して現れたことを忘れてはならない。24時間酸素を補給しなければ生きていけない生活と健康に日常をおくっている生活を同等のものとは考えられまい。
76歳で死を目前にした人が「タバコを吸ってたから4年寿命が縮んだらしいが、まっ、いいか」とはたして思えるだろうか。後悔する人のほうが圧倒的に多いだろうと考える。
今朝の読売新聞Web版に次のようなニュースが掲載されている。
たばこを吸う男性は、吸わない男性に比べて40歳以降の余命が約3・5年短くなることが、厚生労働省研究班(研究班長・上島弘嗣滋賀医大教授)の大規模な疫学調査でわかった。1980年からの20年間という長期間にわたって1万人の日本人の集団を対象として行われた疫学研究でこのような結果が出ているのである。
寿命に対する喫煙の影響が、具体的な数値として明らかになったのは国内で初めて。喫煙対策の重要性を示す研究として注目される。
1980年に、全国300か所の保健所で健診を受けた男女約1万人(平均年齢約50歳)を対象に、喫煙習慣の有無や喫煙量を質問し、1999年まで追跡調査。亡くなった約2000人の年齢と喫煙習慣から平均余命を算出した。
その結果、80年時点でたばこを吸っていた男性の場合、40歳時の平均余命は38・6年で、吸わない男性の42・1年に比べ、3・5年短かった。1日に2箱以上吸う男性の余命は38・1年で、非喫煙者との差が4年に拡大した。
65歳男性では、喫煙者の余命は16・8年で非喫煙者は19・3年。女性の場合、吸う人の40歳時の余命は43・4年、吸わない人は45・6年で、いずれも喫煙者が短くなった。
80年の時点では、調査した男性の喫煙率は62%と高く、その後も高率で喫煙を続けたとみられる。一方、途中で禁煙に転じた人がいる可能性もあり、研究班では、仮に誰も禁煙しなかったら余命格差はさらに広がったとみている。
調査時、「禁煙した」と答えた人の余命は、大半の世代で喫煙者と非喫煙者の間の値となり、禁煙が余命を延ばす効果も確認された。
喫煙が寿命を縮めるのは、肺がんや脳卒中、心筋梗塞(こうそく)による死亡率が高まるためで、研究を主導した村上義孝・滋賀医大特任講師は「平均寿命が3・5年短くなることは、ほぼ20年前の寿命に逆戻りしたことに匹敵する。たばこの影響は大きい」と話している。
海外では、喫煙が寿命を短くする数値を示した研究がある。日本では、喫煙で肺がん、心筋梗塞の死亡率が高まるとの報告はあるが寿命への影響を調べた研究はなかった。2005年、日本人の喫煙と寿命の関係についてただした民主党衆院議員の質問主意書に対し、政府は「数値等の資料がないため、回答は困難」と答弁書を出している。
国の調査では、2005年の日本人の平均寿命(0歳時の平均余命)は男性78・56歳、女性85・52歳。この差にも、喫煙習慣の男女差が大きく影響していると研究班ではみている。(2007年5月9日3時2分 読売新聞)
調査時点でタバコを吸っていた人たちがその後に禁煙したケースも考えられるので、死ぬまで(あるいは死に至る病が発覚した時点まで)吸い続けた人はもっと寿命が短くなったことは確実であろう。
男女の寿命差は上に見られるような、喫煙率の差がもたらす部分が大きいと考えるのも理にかなっている。
上のグラフはイギリスで行われた同じような調査の結果である。1951年以降3万5千人の男性医師を対象として継続的に得られたデータである。これを見ても、明らかに喫煙者は若くして病を得て死ぬのである。もちろん、喫煙しながらも長寿を得た人もいるだろう。しかし、データはタバコのもたらすリスクの大きさを語るのである。自分がその幸運な例外になることを祈りながらタバコを吸い続けるのは正気の沙汰ではない。
<追記>
この記事についてはあちこちのブログで取り上げられており、なかには喫煙者が「吸わない人は80才平均で、吸う人は70才平均です。とかっていう結果なら10年も違うのかそれは困った、やめた方がいいかもなぁ~って思いますが、この結果からだと2箱吸っていても4年でしょう…。吸わない人が80才平均とするならば吸う人が76才。これなら、まっ、いっかって思ってしまいますよね」というような感想を述べているものもある。
だが、この人はQOLのことを無視している。タバコ病は肺ガンにしろCOPDにしろ、死にいたるまでの数年間(あるいは十数年間)の生活を悲惨なものにしてしまう。植木等が青島幸男の告別式に酸素ボンベを携帯して現れたことを忘れてはならない。24時間酸素を補給しなければ生きていけない生活と健康に日常をおくっている生活を同等のものとは考えられまい。
76歳で死を目前にした人が「タバコを吸ってたから4年寿命が縮んだらしいが、まっ、いいか」とはたして思えるだろうか。後悔する人のほうが圧倒的に多いだろうと考える。
by himitosh
| 2007-05-09 09:13
| タバコ