2007年 08月 28日
大相撲はスポーツではない |
どうやら朝青龍はモンゴルに戻って治療することになったようだが、テレビニュースの画面で見る横綱はどこが悪いのかさっぱりわからない。「解離性障害」という症状は、「心的外傷への自己防衛として、自己同一性を失う神経症の一種」という話で、「突然昏睡状態に陥り、3~6時間ほど意識を失ってしまうことが多い。 身体症状としては、身体が思うように動かせなくなる、声が出なくなる、目が見えなくなる」(ウィキペディア)とあるが、無精髭を生やして車に乗り込む朝青龍の姿はいつもとそう変わらないように見えた。
正直なところ「俺が悪かった」と彼はまったく考えていないのではないか。だから記者会見などは絶対にやりたくないのだろう。
東京で暮らしていた頃に国技館での本場所を何回か見物したことがある。九重部屋につてのある知人がいたので、砂かぶりで観戦したり、枡席で見たりした。
そのときに感じたのは、「相撲は芝居と同じだ」ということだ。歌舞伎座などで芝居を見ている気分とあんまり変わらない。その場に流れている時間の質が、スポーツ競技場のそれではなく、芝居小屋のそれなのである。
たしかに鍛え上げた肉体同士がぶつかり合う迫力はあるが、それはほんの一瞬のことで、お客たちが国技館で過ごす時間のほとんどはのんびりと食べたり飲んだりしている時間なのである。力士たちが髷を結っているのも、化粧まわしも、土俵上の所作もすべてひとつの世界を作り出すための仕掛けなのである。(朝青龍が懸賞を受け取るときの手刀を左で切るのが批判されていたが、あれもそうした世界を作り上げるための約束事だからである。)
ああいう場所で相撲を見ていると、八百長などどうでもいいという気分になる。上手に演じてもらえばそれでけっこうなのである。
だから、相撲をスポーツとして扱うのは間違っているのではないか。テレビのスポーツニュースや新聞のスポーツ欄で扱うのではなく、芸能ニュース、芸能欄で扱ってしかるべきだと思う。
そう。かつてプロレスもスポーツ欄に結果や試合評が掲載されていた時代があった。しかし、いつの間にかそれがなくなってしまった。あれと同じでいい。
さて、相撲協会というのは相撲という見世物を年に6回の本場所と巡業で客に見せる商売をしていることになる。力士たちはその団体の役者たちである。本場所も巡業も大事な仕事だということを一座の役者たちは理解しておかねばならない。
だから、今回の騒動は主演級の役者が巡業を仮病で休んだことに対する処分があったことと、それをうまく受け入れられない当の役者の精神状態のギャップが生み出したものと考えればいい。
主役が病気か何かで休めば、必ず代役が立つの芝居の世界である。Show must go on.なのである。
正直なところ「俺が悪かった」と彼はまったく考えていないのではないか。だから記者会見などは絶対にやりたくないのだろう。
東京で暮らしていた頃に国技館での本場所を何回か見物したことがある。九重部屋につてのある知人がいたので、砂かぶりで観戦したり、枡席で見たりした。
そのときに感じたのは、「相撲は芝居と同じだ」ということだ。歌舞伎座などで芝居を見ている気分とあんまり変わらない。その場に流れている時間の質が、スポーツ競技場のそれではなく、芝居小屋のそれなのである。
たしかに鍛え上げた肉体同士がぶつかり合う迫力はあるが、それはほんの一瞬のことで、お客たちが国技館で過ごす時間のほとんどはのんびりと食べたり飲んだりしている時間なのである。力士たちが髷を結っているのも、化粧まわしも、土俵上の所作もすべてひとつの世界を作り出すための仕掛けなのである。(朝青龍が懸賞を受け取るときの手刀を左で切るのが批判されていたが、あれもそうした世界を作り上げるための約束事だからである。)
ああいう場所で相撲を見ていると、八百長などどうでもいいという気分になる。上手に演じてもらえばそれでけっこうなのである。
だから、相撲をスポーツとして扱うのは間違っているのではないか。テレビのスポーツニュースや新聞のスポーツ欄で扱うのではなく、芸能ニュース、芸能欄で扱ってしかるべきだと思う。
そう。かつてプロレスもスポーツ欄に結果や試合評が掲載されていた時代があった。しかし、いつの間にかそれがなくなってしまった。あれと同じでいい。
さて、相撲協会というのは相撲という見世物を年に6回の本場所と巡業で客に見せる商売をしていることになる。力士たちはその団体の役者たちである。本場所も巡業も大事な仕事だということを一座の役者たちは理解しておかねばならない。
だから、今回の騒動は主演級の役者が巡業を仮病で休んだことに対する処分があったことと、それをうまく受け入れられない当の役者の精神状態のギャップが生み出したものと考えればいい。
主役が病気か何かで休めば、必ず代役が立つの芝居の世界である。Show must go on.なのである。
by himitosh
| 2007-08-28 21:00
| 文化一般