2007年 12月 12日
19時のNHKニュースから |
今夜7時のNHKニュースで三番目ぐらいに流されたのが「受動喫煙で肺ガンのリスクが2倍に」というニュースだった。
これは受動喫煙の危険性を初めて指摘した平山雄の1981年の論文の主張と内容的にはほぼ同じであるが、調査の規模や期間から見ても統計的な実証性は十分と思われる。
テレビ画面には喫煙する夫を持つ女性たちが数人登場して感想を述べていたが、おしなべて「こういう風にはっきりと結果が出ているのだから、夫のタバコはやめてもらわないと」といったものだった。
JTのコメントも紹介されていた。「これは肺腺ガンに限ったデータであり、すべてのがんには当てはまらない。これで受動喫煙とガンの発生の関連性が統計的に実証されたとは言えない」といつものような世迷い事を繰り返していた。
いや、しかし、このようなニュースを全国ネットでゴールデンタイムに流すのはNHKだけだろう。JTがたっぷりとカネを注ぎ込んでいる民放局はおそらくこの先も知らん顔を続けるのではないか。いずれにせよ、時代は変わりつつある。
調査を行ったのは国立がんセンターを中心とする厚生労働省の研究班で、全国9つの地域を対象に、40歳から69歳の結婚している女性で、たばこを吸わないおよそ2万8000人を10年以上にわたって追跡調査しました。期間中、109人が肺がんと診断され、このうち80パーセント以上は「肺腺がん」という種類でした。このため肺腺がんに限って分析したところ、夫が喫煙者の場合、たばこを吸わない場合に比べて危険性がおよそ2倍高いことがわかりました。また、夫が1日に吸うたばこが20本未満の場合は危険性が1.7倍だったのに対し、20本以上では2.2倍と、本数が多いほど高くなり、職場などでの受動喫煙が加わると危険性はさらに高くなっていました。研究班は、このうち37パーセントの女性は夫からの受動喫煙がなければ肺腺がんにならなかったと推計しています。受動喫煙に害があるかどうかについてはまだ科学的に証明されていないとされていますが、これほど大規模な調査で受動喫煙の害が示されたのはほとんどないということで、今後議論が起こりそうです。同じニュースを読売新聞Web版も以下のように伝えている。
夫が家庭内でたばこを吸う女性は、そうでない女性に比べ、肺腺がんになる危険性が2倍以上に高まることが12日、厚生労働省の研究班(班長=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)の大規模調査でわかった。
自身はたばこを吸わない女性患者の約4割は、夫からの受動喫煙がなければ、がんにならなかった可能性があるという。
調査は、40~69歳のたばこを吸わない女性2万8千人を対象に、1990年代の初めから約13年間にわたって実施。この間に肺腺がんと診断された82人について、喫煙など夫の生活習慣との関係を調べた。
この結果、夫がたばこを吸わない女性に比べ、夫が現在も吸っているケースでは2倍、過去に吸っていた場合は1・5倍も肺腺がんになる確率が高かった。夫が吸っているたばこの本数調査では、1日あたり20本未満の場合は1・7倍、それ以上の場合は2・2倍と、本数が多いほど、危険性が高まることも判明した。
家庭内で夫が吸っていなくても、職場での受動喫煙だけで肺腺がんになる危険性が1・2倍高まることもわかった。
受動喫煙と肺腺がんの関係について、数万人規模の女性を対象に追跡調査したのは国内初。研究班の倉橋典絵・国立がんセンター研究員は「受動喫煙では、喫煙者がフィルターを通じてたばこの煙を吸い込むのとは違って、いったん空気に広がった煙を、呼吸とともに肺の奥まで吸い込むため、肺腺がんになる可能性が上がるのではないか」と指摘している。(2007年12月12日19時42分 読売新聞)
これは受動喫煙の危険性を初めて指摘した平山雄の1981年の論文の主張と内容的にはほぼ同じであるが、調査の規模や期間から見ても統計的な実証性は十分と思われる。
テレビ画面には喫煙する夫を持つ女性たちが数人登場して感想を述べていたが、おしなべて「こういう風にはっきりと結果が出ているのだから、夫のタバコはやめてもらわないと」といったものだった。
JTのコメントも紹介されていた。「これは肺腺ガンに限ったデータであり、すべてのがんには当てはまらない。これで受動喫煙とガンの発生の関連性が統計的に実証されたとは言えない」といつものような世迷い事を繰り返していた。
いや、しかし、このようなニュースを全国ネットでゴールデンタイムに流すのはNHKだけだろう。JTがたっぷりとカネを注ぎ込んでいる民放局はおそらくこの先も知らん顔を続けるのではないか。いずれにせよ、時代は変わりつつある。
by himitosh
| 2007-12-12 20:03
| タバコ