2008年 01月 03日
『GUNSLINGER GIRL』 |
相田裕『GUNSLINGER GIRL』(メディアワークス)は、レンタル・コミックの店でふと手に取り、開いたページに「カモッラ」および「カモリスタ」という表現があったので読む気になったマンガである。カモッラとはナポリの犯罪組織のことであり、マフィアと違ってあまり日本では知られていない。
これは珍しいことに現代イタリアを舞台にしたマンガである。ジャンルとしてはバイオレンス・マンガに属するのだろうが、絵がかわいいのでそのミスマッチを楽しむべきなのだろう。瀕死の少女たちがアンドロイド化されて殺人マシンとなるという設定をどうこう言ってもしかたがない。それがマンガなのだから。
注目すべきなのは、作者が意外に現代のイタリアのことをよく勉強していて、細部に妙な説得力があることだ。カモッラのこともそうだし、イタリアの南北問題と北部の独立をめざす(自己中心的な)運動の存在などがマンガの重要な背景になっている。
もちろんヘンなところ、ツッコミたいところはいっぱいあるが、全体としてはとてもよく出来ているマンガだと思う。陰惨な話なのだが、それは現代のイタリア社会の陰惨さとある程度までつながっている。
現代のイタリアに関心のあるかたにはオススメします。現在まで全9巻が刊行されている。
これは珍しいことに現代イタリアを舞台にしたマンガである。ジャンルとしてはバイオレンス・マンガに属するのだろうが、絵がかわいいのでそのミスマッチを楽しむべきなのだろう。瀕死の少女たちがアンドロイド化されて殺人マシンとなるという設定をどうこう言ってもしかたがない。それがマンガなのだから。
注目すべきなのは、作者が意外に現代のイタリアのことをよく勉強していて、細部に妙な説得力があることだ。カモッラのこともそうだし、イタリアの南北問題と北部の独立をめざす(自己中心的な)運動の存在などがマンガの重要な背景になっている。
もちろんヘンなところ、ツッコミたいところはいっぱいあるが、全体としてはとてもよく出来ているマンガだと思う。陰惨な話なのだが、それは現代のイタリア社会の陰惨さとある程度までつながっている。
現代のイタリアに関心のあるかたにはオススメします。現在まで全9巻が刊行されている。
by himitosh
| 2008-01-03 16:38
| 本