2008年 01月 21日
NHK職員のインサイダー取引をめぐって |
放送よりも早くニュース原稿を読めることを利用して値上がり確実の株を購入したNHK職員のことだが、株式市場というのはイカサマが横行する賭博場だというわたしの確信を裏書きする結果になった。
おそらくNHKだけでなく、あらゆる報道組織で似たような行為が日々繰り返されていると考えても差し支えないように思う。マスコミが就職先として人気があるというのもこの種のフリンジ・ベネフィットが期待できることが影響しているのかもしれない。そんなことをマスコミ志望の学生たちに言えばきっと怒るだろうが。
しかし、考えようによっては、株式市場というのは他人に先駆けて有用な情報を得た者が勝つ場であり、その情報の獲得手段が合法か非合法かはあまり重要ではないのだろう。ただ、やはりそういうインチキが通用するような場所にはあまり近寄りたくない。
おそらく彼らは今回摘発されるまで自分がやっていることが不正であるとは夢にも考えていなかったのではないか。そうやっているうちに品性下劣な人格が日々強化されているのであろう。何事もカネの世の中がこうやって増幅されていくわけである。
NHKの職員三人がニュース内容を事前に閲覧して株を購入したインサイダー取引疑惑で、三人のうち一人は信用取引で株を買い付けていたことがわかった。この三人はまったく別個に同じ行動をとっていたということだから、この種の行為はNHKのなかではごく普通に行われていると考えていいだろう。儲けの額が数百万円とか数千万円ではなく10万~40万円というところも、これが日常的な行為であることを示唆している。
信用取引は手持ち資金が少なくても大量の株購入が可能だが、株価が値下がりした場合は損失が膨らむリスクがある。
この職員は証券取引等監視委員会の調べなどに対し、不正取引だったことを認めているが、取引方法からも株が値上がり確実との認識を持っていたことが裏付けられた。
関係者によると、報道局テレビニュース部制作記者(33)と岐阜放送局放送部記者(30)、水戸放送局放送部ディレクター(40)の三人は報道用端末などで放送前のニュース原稿を読んで、2007年3月8日午後2時38分~3時に東証1部上場の回転ずしチェーン「カッパ・クリエイト」(さいたま市)株を1000株~3000株程度購入した疑いが持たれている。
株の購入費として、それぞれ170万円~500万円程度の資金を使っており、報道局制作記者以外の二人は、情報を知って株を購入したことを認めている。
証券会社に担保の委託保証金を差し入れて、その約3倍までの取引ができる信用取引で株を購入していたのは、インサイダー取引を認めているうちの1人。
また、市場が閉まる直前に買い付け注文が集中して売買が成立しなかったため、購入価格を指定する「指し値注文」から値を指定しない「成り行き注文」に切り替えた職員もいたという。
三人とも、翌日に株価が上がってから売り抜け、10万円~40万円程度の利益を上げていた。
一方、一人は放送前のニュースが閲覧できるようになった午後2時38分より少し前にもカッパ・クリエイト株を購入していたことがわかっているが、この際、資本・業務提携相手の東証1部上場の外食大手「ゼンショー」(東京都港区)株も購入していたことがわかった。その後、放送前のニュースを確認し、カッパ・クリエイト株を一気に買い増ししていた。(2008年1月21日14時53分 読売新聞)
おそらくNHKだけでなく、あらゆる報道組織で似たような行為が日々繰り返されていると考えても差し支えないように思う。マスコミが就職先として人気があるというのもこの種のフリンジ・ベネフィットが期待できることが影響しているのかもしれない。そんなことをマスコミ志望の学生たちに言えばきっと怒るだろうが。
しかし、考えようによっては、株式市場というのは他人に先駆けて有用な情報を得た者が勝つ場であり、その情報の獲得手段が合法か非合法かはあまり重要ではないのだろう。ただ、やはりそういうインチキが通用するような場所にはあまり近寄りたくない。
おそらく彼らは今回摘発されるまで自分がやっていることが不正であるとは夢にも考えていなかったのではないか。そうやっているうちに品性下劣な人格が日々強化されているのであろう。何事もカネの世の中がこうやって増幅されていくわけである。
by himitosh
| 2008-01-21 17:05
| 社会