2008年 09月 12日
あちゃ~! 合格者ゼロ |
法科大学院修了者を対象とする今年度の新司法試験の結果を法務省が発表した。74校6261人が受験して2065人が合格。合格率は33%で前年(40.2%)を下回った。
そして合格者ゼロという結果だったのは姫路獨協・愛知学院・信州の3校であった。わが信州大学の法科大学院修了者は19名が受験して全員が不合格となった。信州大学の場合にはこれが最初の修了生の受験であったが、こういう結果が出てしまっては・・・・・・。
一回目の試験は実に重要なのである。そこで失敗したら取り返しがつかない。左の表を見てもわかるように、小規模な法科大学院の成績はあまりよくない。そしていったんこうした結果が出れば、優秀な志願者から敬遠されることはまず間違いないだろう。そうなると今後の司法試験の結果に響いてくる。
30位にランクされている愛知大学法学部のS藤先生に2年前の学会の際に詳しく事情をうかがったことがあった。というのも、一回目の新司法試験で愛知大学は合格率トップという成績を収めていたからだ。
S藤先生のお話では、法科大学院のスタッフと学生の募集にあたってはそれまでとは比較にならないような優遇措置をとったということだった。スタッフの待遇、学生への奨学金と勉学の環境整備などなど、他の学生・院生・スタッフからは妬む声が絶えなかったという。
それでも、一回目の試験で素晴らしい成績を収めたおかげでその後の法科大学院の運営はスムーズに進行しているらしい。
もともと法学部を持たない信州大学が法科大学院を設置するにあたって、その成果を危惧する意見が多数存在したのをおぼえている。
最初の試験でいきなりつまづいてしまったわが法科大学院が今後どうなっていくのであろうか。国から大学への予算が年々削られていく中で、莫大なリソースを投じて設置した法科大学院が大学全体のイメージ・威信を低下させる結果になっている。
毎年こうした目に見える数字という形で結果を比較されることは最初からわかっていたのである。そういう厳しい競争の世界で勝ち残るための戦略が必要と思われる。
<追記>
9月13日の『松本市民タイムズ』によると、信大からの19人の受験者のうち短答式試験合格者は9人で、論述式試験では全員が不合格となったそうだ。
信大法曹法務研究科の米田研究科長のコメントは「初年度に結果が出せなかったのは非常に残念。実力のある学生や教職員はそろっているので、今回の経験を今後に生かしたい」というものであった。
しかし、「実力のある学生や教職員がそろっていれば」今回のような結果はなかったはずではないか、と突っ込まれてもしかたがなかろう。結果がすべて合格者の数字で表れるシビアな世界にいる人のコメントとは思えない。
そして合格者ゼロという結果だったのは姫路獨協・愛知学院・信州の3校であった。わが信州大学の法科大学院修了者は19名が受験して全員が不合格となった。信州大学の場合にはこれが最初の修了生の受験であったが、こういう結果が出てしまっては・・・・・・。
一回目の試験は実に重要なのである。そこで失敗したら取り返しがつかない。左の表を見てもわかるように、小規模な法科大学院の成績はあまりよくない。そしていったんこうした結果が出れば、優秀な志願者から敬遠されることはまず間違いないだろう。そうなると今後の司法試験の結果に響いてくる。
30位にランクされている愛知大学法学部のS藤先生に2年前の学会の際に詳しく事情をうかがったことがあった。というのも、一回目の新司法試験で愛知大学は合格率トップという成績を収めていたからだ。
S藤先生のお話では、法科大学院のスタッフと学生の募集にあたってはそれまでとは比較にならないような優遇措置をとったということだった。スタッフの待遇、学生への奨学金と勉学の環境整備などなど、他の学生・院生・スタッフからは妬む声が絶えなかったという。
それでも、一回目の試験で素晴らしい成績を収めたおかげでその後の法科大学院の運営はスムーズに進行しているらしい。
もともと法学部を持たない信州大学が法科大学院を設置するにあたって、その成果を危惧する意見が多数存在したのをおぼえている。
最初の試験でいきなりつまづいてしまったわが法科大学院が今後どうなっていくのであろうか。国から大学への予算が年々削られていく中で、莫大なリソースを投じて設置した法科大学院が大学全体のイメージ・威信を低下させる結果になっている。
毎年こうした目に見える数字という形で結果を比較されることは最初からわかっていたのである。そういう厳しい競争の世界で勝ち残るための戦略が必要と思われる。
<追記>
9月13日の『松本市民タイムズ』によると、信大からの19人の受験者のうち短答式試験合格者は9人で、論述式試験では全員が不合格となったそうだ。
信大法曹法務研究科の米田研究科長のコメントは「初年度に結果が出せなかったのは非常に残念。実力のある学生や教職員はそろっているので、今回の経験を今後に生かしたい」というものであった。
しかし、「実力のある学生や教職員がそろっていれば」今回のような結果はなかったはずではないか、と突っ込まれてもしかたがなかろう。結果がすべて合格者の数字で表れるシビアな世界にいる人のコメントとは思えない。
by himitosh
| 2008-09-12 10:33
| 大学