2009年 03月 21日
素晴らしかったコンサート |
山下達郎のコンサートは素晴らしかった。
一曲目の「SPARKLE」のイントロが始まると、達郎の曲をめぐるさまざまな記憶がよみがえってきた。1982年のアルバム「For You」あたりからあとはすべてよく聴いていたので、わたしの30代の頃の思い出が重なっている。アンコールの「Your Eyes」まで3時間以上、ほんとうに楽しいコンサートだった。
6年ぶりのコンサート・ツアーという話だったが、今回は新譜となるアルバムのないツアーだったせいかほとんどが聞き慣れた曲で、昔からの達郎ファンにはとても楽しいプログラムになっていた。知らない曲がほとんどないのである。
聞かせどころがこれほどある日本のアーティストはそう多くないのではないだろうか。バンド演奏もあるし、アカペラもあるし、MCだってとてもうまい。35年というキャリアは伊達ではない。
いくつかの曲で気がついたのはいろいろな形で他の音楽家に対するトリビュートを組み込んでいたことだ。「蒼氓」という歌の中で岡林信康の「友よ」をまるまるワン・フレーズ入れていたのに驚いた。60年代の終わりにはとてもよく知られていた歌だったが、あれをこういう形で今歌うことにどのような意味があるのかを考えさせられた。
観客の年齢層は平均で40代の後半もしくは50代だったかもしれない。もちろん家族連れみたいで高校生ぐらいの子どもを連れている親たちもいたが、髪も真っ白で腰の曲がった人とか、わたしのいた二階席から見て明らかに頭頂部が空白化している人も大勢いた。コンサートの最後で総立ちになったが、ほとんどは座って聴けるコンサートだった。
最後に達郎が「音楽で革命は起こせないけれども、人の心に元気を与えることはできます」と語ったように、全体として心温まる、元気づけられるコンサートだった。
ずっとこういうコンサートには足を運んでいなかったが、これからは機会があればもっと行こうと思う。
by himitosh
| 2009-03-21 08:05
| 文化一般