2009年 05月 14日
「草食系」=自己イメージの投影 |
男女の恋愛・結婚をめぐる「草食系」「肉食系」という性格分けはなかなか巧みな表現だと思う。自分を客観化して見るヒントにはなっている。ただし、そうした比喩で何か新しい事実や現象が生まれてくるかというと、そうでもないみたいだ。
わたし自身の考えは、「草食系」「肉食系」というジャンル分けを固定的にとらえるべきではないということである。人生のある時期には「肉食系」が強くなることがあってもそれで生涯を過ごすのはどうかと思うし、一生「草食系」で過ごす人は今の時代では縁遠くなってしまうだろう。
必要な時期だけ「肉食化」し、たいていの場合は「草食」であるのが常態ではないだろうか。人生とはそういうものだと思う。
ライフネット生命が20~30代の未婚男女1000人を対象に実施した「婚活に関する調査」で、結婚したい相手は、男性が「草食女子」、女性は「肉食男子」という結果が出た。要するに自分を「草食系」ととらえている人が多いのは、女も男も「求められるワタシ」「惚れられる俺」が理想だからなのである。何だか厚かましい人々というか、それでいいのかという気になる。
調査は、「草食系」=恋愛に対して受け身になりがち、言いたいことがあっても内に秘める、「肉食系」=恋愛に対して自分からアプローチする、言いたいことがあれば遠慮なく言えるという、それぞれの定義を説明したうえで行った。
自分がどちらのタイプにあてはまるのかを聞いたところ、「草食系」が74.9%(男性75.6%、女性74.2%)と多数を占め、「肉食系」は25.1%(男性24.4%、女性25.8%)だった。
自分が「草食系」と回答した男性378人に対し、結婚対象となる女性は「草食系」と「肉食系」のどちらがよいかを聞いたところ、「草食系」60.6%、「肉食系」」39.4%となり、「草食系」が20ポイント以上多かった。
また、自分は「肉食系」と回答した男性122人に同じ質問をしたところ、「草食系」54.9%、「肉食系」45.1%となり、やはり「草食系」が10ポイント近く上回った。
これにより、「草食系」「肉食系」にかかわらず、男性に人気があるのは「草食女子」であることがわかった。
一方、自分は「草食系」と回答した女性371人に対し、結婚対象となる男性は「草食系」と「肉食系」のどちらがよいかを尋ねたところ、「草食系」34.8%、「肉食系」65.3%となり、「肉食系」が「草食系」を30ポイント以上も上回った。
自分が「肉食系」と回答した女性129人に同じ質問をしたところ、「草食系」31.8%、「肉食系」68.2%となり、こちらも「肉食系」が「草食系」を大幅に上回った。
この結果から、本人が草食系、肉食系にかかわらず、女性の人気は「肉食男子」に集まることがわかった。
ライフネット生命は、草食系男性の人口が肉食系男性より多いにもかかわらず、女性が「肉食系男性」を求めており、求める相手が不足している現状も、「婚活ブーム」に火をつけている要因ではないかと分析している。(2009年5月14日 読売新聞)
わたし自身の考えは、「草食系」「肉食系」というジャンル分けを固定的にとらえるべきではないということである。人生のある時期には「肉食系」が強くなることがあってもそれで生涯を過ごすのはどうかと思うし、一生「草食系」で過ごす人は今の時代では縁遠くなってしまうだろう。
必要な時期だけ「肉食化」し、たいていの場合は「草食」であるのが常態ではないだろうか。人生とはそういうものだと思う。
by himitosh
| 2009-05-14 11:12
| 社会